C-17 (航空機)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/29 06:28 UTC 版)
採用国
現在、C-17を採用しているのは7ヶ国と1機構軍である。
- イギリス空軍ではエアバス A400Mの開発遅延もあり、2001年からグローブマスター C.1の名称で(ただし、この名称はすぐに廃れ、現在は単にC-17A グローブマスターIIIとなっている[14])C-17Aの運用を開始した。当初はリース契約であったが、2004年に購入契約に切り替えた。
- 4機の運用であったが、2009年までに6機に増強され、同年12月に更に1機が追加発注され、最終的に8機となった。2022年9月8日にスコットランド、アバディーンシャーのバルモラル城で崩御したエリザベス2世の棺を9月13日にエディンバラ空港からノーソルト基地まで運んだ。
- 2006年にオーストラリア空軍が開発中のA400Mとの比較検討の上、国外展開用に4機の購入を決定した。費用は10億オーストラリア・ドルである。
- 2006年-2008年にかけて機体を受領し、第36飛行隊に配備されている。2011年に発生した東北地方太平洋沖地震においては当時利用可能であった3機全てが救援物資の輸送のため日本に派遣された。
- 2011年の追加発注により、2012年11月には6機に増強され、2015年までに8機となった。
- カナダ軍(カナダ空軍)は、国外展開用に長距離輸送機を求めており、2007年からC-17Aの取得を開始した。
- 4機を取得し、CC-177の名称で第429航空隊に配備されている。2014年12月19日には5機目の導入を発表した。
- C-17Aを多国籍で共同調達・共同運用を行う戦略空輸能力(SAC)構想を発表し、2008年10月1日にブルガリア、エストニア、ハンガリー、リトアニア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、スロベニア、アメリカのNATO加盟10ヶ国とNATO非加盟のスウェーデン、フィンランドの合計12ヶ国が了解覚書に調印。
- アメリカ空軍から1機が提供されるほか、2009年に新造機2機を調達し、ハンガリー空軍のパパ空軍基地を拠点に運用が行われている。そのため、機体にはハンガリー空軍の国籍マークが描かれている。
- インド空軍がロシア製のIl-76 20機の後継としてC-17Aの購入を希望し、2009年2月にアメリカ空軍に対し取得費や運用コストについての情報を求めた。最終的に2011年6月に10機の発注に至り、2013年から2014年末までに10機を受領した。
- 2015年のイエメン内戦で、孤立した自国民の出稼ぎ労働者の救出に派遣された。また、同年、ネパール地震では救援物資の輸送のためにネパールに派遣された。[16]
検討
- 航空自衛隊でC-1の後継候補となったが、使用できない飛行場があり、最高巡航速度が性能要求を下回ることから採用されなかった[17]。
- 伊藤忠商事が日本での輸入代理店になっており、1990年代後半の『自衛隊装備年鑑』などに掲載した広告には、日本国政府専用機の塗装を施したC-17のイラストが添えられていた。
- C-17の導入を正式に決めたわけではないが、2008年夏にC-17クラスの輸送機を3-4機購入する資金を準備したとされていた。
民間型
旧マクドネル・ダグラス時代の1990年代に本機の民間用バージョンとして「MD-17」が計画されていたが、実現しなかった。2000年にはボーイングが民間型「BC-17X」のアナウンスを行ったが、受注は得られていない[18]。
- ^ a b c d e 軍事研究2007年10月号「地球の裏へ急速空輸:C-5/C-17巨人機」
- ^ “ボーイング、軍用機「C17」生産を15年に打ち切り 加州工場閉鎖へ”. ウォール・ストリート・ジャーナル. (2013年9月18日) 2013年10月8日閲覧。
- ^ Trimble, Stephen. "Boeing offers C-17B as piecemeal upgrade." Archived 7 December 2017 at the Wayback Machine. Flight International, 19 August 2008.
- ^ "Air Force Lets Advanced STOL Prototype Work." Archived 7 November 2012 at the Wayback Machine. The Wall Street Journal, 13 November 1972.
- ^ Miles, Marvin. "McDonnell, Boeing to Compete for Lockheed C-130 Successor." Archived 7 November 2012 at the Wayback Machine. Los Angeles Times, 11 November 1972.
- ^ Kennedy, Betty R. Globemaster III: Acquiring the C-17. McConnell AFB, Kansas: Air Mobility Command Office of History, 2004.p3–20, 24
- ^ Norton, Bill. Boeing C-17 Globemaster III (Warbird Tech, Vol. 30). North Branch, Minnesota: Specialty Press, 2001. ISBN 1-58007-040-X.p12–13
- ^ Norton, Bill. Boeing C-17 Globemaster III (Warbird Tech, Vol. 30). North Branch, Minnesota: Specialty Press, 2001. ISBN 1-58007-040-X.p13、15
- ^ "Douglas Wins $3.4B Pact to Build C-17." Archived 7 November 2012 at the Wayback Machine. Los Angeles Times, 3 January 1986.
- ^ C-17 AIRCRAFT Cost and Performance Issues アメリカ会計検査院報告
- ^ 米軍、シリア北部の滑走路拡張 C17輸送機でラッカ奪還の支援強化 AFP(2017年4月5日)2017年4月5日閲覧
- ^ カブール離陸の米軍機から転落死 19歳のサッカー選手
- ^ “米軍機内にアフガン人600人超 劇的な退避作戦の写真公開”. AFP (2021年8月18日). 2021年8月18日閲覧。
- ^ RAF - C-17A Globemaster
- ^ 「月刊エアライン」2018年5月号p.121。
- ^ Air Force Warrior Sentinels: C-17 Globemaster
- ^ 次期輸送機 政策評価書 防衛省・自衛隊
- ^ Boeing Is Undisputed Leader In Providing Air Cargo Capacity
- ^ "C-17 Technical Specifications" The Boeing Company.
- ^ a b "CC-177 Globemaster III Overview" Royal Canadian Airforce.
- ^ “C-17 Globemaster III” (英語). Air Force. United States Air Force. 2022年11月19日閲覧。
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