聴覚情報処理障害 支援の方法

聴覚情報処理障害

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/22 06:26 UTC 版)

支援の方法

聴覚情報処理障害を持つ患者に対してできる支援の方法は、幾つか考えられている。例えば、カクテルパーティー効果が充分に機能しないことに対しては、なるべく雑音の少ない環境を用意する、例えば授業中などであれば私語をさせないなどが考えられる。他にも、音声以外に視覚も用いた情報伝達を、患者に対して行うなどの方法もある。ただし、原因となる脳の機能障害が1種類ではないと見られていることから、もしかしたら聴覚情報処理障害を原因となる機能障害ごとに細かく分類できれば、それに対応したより良い支援の方法が見つかるかもしれないとも考えられている[2]

多くの場合、雑音下での聞き取りに困難を感じることが多く、もっとも効果が高い対策として、話者がFMマイクを持ち、聞き取りに困難を感じる者が話者の声を電波を通して聞くという方法がある。補聴器とは異なる専用の受信機(製品名:ロジャーフォーカス)が市販されている。また、補聴器として市販されている製品のうち、リモートマイク(製品名:マイクロマイク)が使用できる補聴器を、その増幅量を絞って使用することで、同等の効果を得ることができる。

歴史

聴覚情報処理障害は、1950年代には存在が報告されていた[3]

2021年、大阪市立大学のグループが日本国内初となる大規模調査を実施する[1]

関連項目



  1. ^ この発話者の口の動きを見て、その動きによって何と言っているのかを知ろうとするという行動は、しばしば難聴を持った患者にも見られる。しかしながら、聴覚情報処理障害の患者場合は、このような行動を難聴があるから取っているのではなく、音は聞こえているのに、音声が言葉として認識しにくいために行っている点が異なっている。
  1. ^ a b c d e 日本放送協会. ““聞こえているのに聞き取れない” APD 初の大規模調査へ”. NHKニュース. 2021年7月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e 福島邦博, 川崎聡大, 「聴覚情報処理障害 (APD) について」『音声言語医学』 49巻 1号 2008年 p.1-6, doi:10.5112/jjlp.49.1, 日本音声言語医学会
  3. ^ a b 太田富雄, 八田徳高「聴覚情報処理障害の用語と定義に関する論争」『福岡教育大学附属特別支援教育センター研究紀要』第2巻、福岡教育大学附属特別支援教育センター、2010年3月、17-26頁、CRID 1050001337425808256hdl:10780/972ISSN 1883387X 
  4. ^ 小渕 千絵『APD「音は聞こえているのに 聞きとれない」人たち ―聴覚情報処理障害(APD)とうまくつきあう方法』、100頁。ISBN 4865812490 
  5. ^ 小渕 千絵『APD(聴覚情報処理障害)がわかる本 聞きとる力の高め方』、50頁。ISBN 4065227755 


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