フキ フキの概要

フキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/08 09:03 UTC 版)

フキ
フキの若葉(2005年4月)
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: フキ属 Petasites
: フキ P. japonicus
学名
Petasites japonicus
(Siebold et Zucc.) Maxim. (1866)[1]
和名
フキ(蕗)
英名
Fuki,
Giant Butterbur,
Japanese butterbur[2]

名称

和名フキ語源については諸説あり詳細ははっきりしていない[3]。また、冬に黄花を咲かせるため「冬黄(ふゆき)」の中略とする説もある[4]。フキの若い花芽は、山菜としてよく知られているフキノトウ(蕗の薹)である[5]

別名に、「ヤマブキ」「アオブキ」「アカブキ」「ミズブキ」「ノブキ」「オオバ」などの呼び名がある[6]。日本の方言名でフキノトウを、青森県西部の津軽弁では「ばっけ」、秋田弁では「ばっけ」「ばんけ」「ばっきゃ」、山形県庄内弁では「ばんけ」、アイヌ語は「マカヨ」、樺太アイヌ語ではpahkay(パㇵカイ)という。また、アイヌ語でフキは「コロコニ」または「コルコニ」と発音する。

英語ではJapanese Butterbur[7]Giant butterbur[8]、あるいはFuki[9]という。漢名ではと書き[3]中国植物名では蜂闘菜(ほうとうさい)ともよばれている[10]

花言葉は、「公正な裁き」[4]「待望」[8]「愛嬌」[8]「真実は一つ」[8]「仲間」[8]などである。

分布・生育地

日本原産[8]北海道本州四国九州及び沖縄県に分布し[4]、北は樺太朝鮮半島中国でも見られる[11][9]平地から丘陵地山地までの原野山野土手道端空き地、川べりなど、日溜りでやや湿ったところに自生し[10][12][6]、山では沢や斜面、河川中洲や川岸、湖畔、林の際などで多く見られる[13]。郊外でも河川の土手や用水路の周辺に見られ、水が豊富で風があまり強くない土地を好み繁殖する。自生のほか、栽培も行われている[12]東北地方から北海道にかけては、変種のアキタブキがある[12]

近年は山野に自生する個体数が減少しつつある。里山でフキが群生している光景は自生では無く、人間の手によって管理されていることがある。


  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Petasites japonicus (Siebold et Zucc.) Maxim. フキ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月2日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 48.
  3. ^ a b 大嶋敏昭監修 2002, p. 362.
  4. ^ a b c d e f 主婦と生活社編 2007, p. 60.
  5. ^ a b c d e 稲垣栄洋 2018, p. 109.
  6. ^ a b c d e f g h i j k 高野昭人監修 世界文化社編 2004, p. 6.
  7. ^ a b c d e f g 主婦の友社編 2011, p. 138.
  8. ^ a b c d e f g 稲垣栄洋 2018, p. 108.
  9. ^ a b c d e f g h i j k 講談社編 2013, p. 41.
  10. ^ a b c d e f 貝津好孝 1995, p. 111.
  11. ^ a b 近田文弘監修 亀田龍吉・有沢重雄著 2010, p. 20.
  12. ^ a b c d e f g h i j k l m n 馬場篤 1996, p. 100.
  13. ^ a b 高橋秀男監修 2003, p. 92.
  14. ^ 主婦と生活社編 2007, p. 80.
  15. ^ a b c d e f 金田初代 2010, p. 130.
  16. ^ a b c 田中孝治 1995, p. 208.
  17. ^ 田中修 2007, p. 26.
  18. ^ a b c 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2018, p. 42.
  19. ^ 金田初代 2010, p. 152.
  20. ^ シンジェンタ ジャパン 雑草の話 第9話 フキ属(Petasites)について
  21. ^ 記事名不明[リンク切れ]毎日新聞』2011年6月28日地方版
  22. ^ ふき・愛知早生・野菜図鑑独立行政法人農畜産業振興機構
  23. ^ まちの自慢”. 東海市. 2014年3月1日閲覧。
  24. ^ 文部科学省日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  25. ^ 厚生労働省日本人の食事摂取基準(2015年版) (PDF) 」』
  26. ^ 薬物性肝障害の症状と原因」または「肝臓の病気」参照。
  27. ^ KEGG COMPOUND:C10359:ペタシテニン
  28. ^ GIANT BUTTERBUR Petasites japonicus
  29. ^ a b c d 小池すみこ 1998, p. 142.
  30. ^ 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2011, p. 48.
  31. ^ a b 小池すみこ 1998, p. 143.
  32. ^ a b c d 主婦の友社編 2011, p. 226.
  33. ^ a b c 高橋秀男監修 2003, p. 93.
  34. ^ a b c d e f g 田中孝治 1995, p. 209.
  35. ^ 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 155.
  36. ^ a b c d 高野昭人監修 世界文化社編 2004, p. 8.
  37. ^ 小池すみこ 1998, p. 145.
  38. ^ ふき俵 奈良県 | うちの郷土料理:農林水産省”.  農林水産省. 2023年4月5日閲覧。
  39. ^ ふき俵 三重県 | うちの郷土料理:農林水産省”. 農林水産省. 2023年4月5日閲覧。
  40. ^ 蕗からつくられる手漉き和紙「富貴紙-ふきがみ-」釧路市(2020年5月24日閲覧)
  41. ^ a b c 金田初代 2010, p. 133.






フキと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フキ」の関連用語

1
100% |||||

2
100% |||||

3
100% |||||

4
100% |||||

5
100% |||||


7
100% |||||

フキのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フキのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフキ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS