フガート
フガート
フガート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 07:43 UTC 版)
交響曲や室内楽曲、ソナタなどの一部に現れるフーガ様の部分は、フーガの提示部やストレッタなどの様式・技法を用いて作曲されているが、フーガとしての要件を全て満たしているわけでもなく、また独立した曲ではなくて一つの曲や楽章の部分を成す。こうしたものはフガート (fugato) と呼ばれる。 ソナタ形式の展開部においては、提示部で提示された2つの主題(後期ロマン派に於いては3つの場合もある)がまず転調を繰り返したのち、フーガ様の部分(フガート)を挟み、やがて属音保続でクライマックスを迎えて、再現部に戻る、という構造を持つものが多い。また交響曲の第4楽章に於いては、長大なフーガがその楽章の主要な部分を占めるという楽曲も見られる(モーツァルト: 交響曲第41番「ジュピター」、ブルックナー: 交響曲第5番など)。 オペラでは複数の歌い手が対等に歌う楽曲(または部分)でフーガの構造を持つものがあり、作曲家の手腕の見せ所とされた。ヴェルディ「マクベス」改訂版や「ファルスタッフ」、ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」などに見られる。 イタリアの各種音楽院がフランスの対位法とフーガの教程を翻訳していたとき、音楽院の教員は模倣形式とフガートへの言及がないことに気づいた。そこで、1930年代からBasso Imitato e Fugatoという模倣形式とフガートのための教材が続々と出版された。教本執筆者のなかにはジャチント・シェルシのアシスタントを務めたヴィエーリ・トサッティ(英語版)も含まれている。
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「フガート」の例文・使い方・用例・文例
- フガートという楽句
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