フキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/15 00:44 UTC 版)
品種
近縁種は旧世界に広く分布し、ハーブとして利用される。また、幻覚作用が報告されている種もある[要出典]。
秋田県以北から北海道にかけて自生し[6]、葉の径が1.5 mと巨大で、高さ2 m ほどにも伸びるアキタブキ(秋田蕗)があり[4]、全国的にも有名である。こうした、巨大な蕗は倍数体によるものである。特に寒冷地では牧草地で大繁殖する。家畜が食べないので畜産農家からは嫌われている[20]。アキタブキのうち[21]、北海道・足寄町の螺湾川(らわんがわ)に沿って自生するラワンブキは高さ2 - 3 mに達し、北海道遺産に指定されている。
市場に野菜として出回るものは、野生種から選抜された栽培品種が多く、栽培品、野生種のどちらも流通している[9]。自生するものは「山ブキ」とよんで灰汁が強いが[2]、栽培種は一般的に苦みが少なく調理し易い。栽培種として市場に出回っている多くのフキは「愛知早生」(愛知早生ふき)という品種で[22]愛知県東海市が生産量日本一である[23]。「水ふき」(水ぶき)は京都府や奈良県などで栽培され[6]、福井県大野市や石川県加賀市南部などでは「タニフタギ」とも呼ばれる。なお、秋田フキにも自生ではなく農家で栽培されて市場に出荷されるものもある。
- 愛知早生ぶき(愛知早生ふき)
- 別名「尾張ぶき」ともよばれる。市場の大半を占め、葉柄が太めで、根元が赤いのが特徴[9]。香りが良く、長さ1メートル (m) ほどになる[2]。
- 水ぶき(水ふき)
- 小ぶりで暖かい地方のフキから改良された栽培品種。やわらかくて苦味が少ないのが特徴で、収穫量は少なく関西で少量生産されている[9]。
- アキタブキ(秋田蕗)
- フキの亜種で[6]、葉柄の長さが2 m、葉の直径が1.5 mにもなる大型のフキ。肉質はかたく、主に佃煮や砂糖漬けなどの加工用に利用される[9]。葉と葉柄はにわか雨の際には傘代わりになるほど大きく、うっそうと秋田蕗が茂る場所には、コロボックルとよばれる小人が住んでいたというアイヌ伝説が残されている[6]。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Petasites japonicus (Siebold et Zucc.) Maxim. フキ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月2日閲覧。
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- ^ シンジェンタ ジャパン 雑草の話 第9話 フキ属(Petasites)について
- ^ 記事名不明[リンク切れ]『毎日新聞』2011年6月28日地方版
- ^ ふき・愛知早生・野菜図鑑独立行政法人農畜産業振興機構
- ^ “まちの自慢”. 東海市. 2014年3月1日閲覧。
- ^ 文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』
- ^ 厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2015年版) (PDF) 」』
- ^ 「薬物性肝障害の症状と原因」または「肝臓の病気」参照。
- ^ KEGG COMPOUND:C10359:ペタシテニン
- ^ GIANT BUTTERBUR Petasites japonicus
- ^ a b c d 小池すみこ 1998, p. 142.
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- ^ a b c 高橋秀男監修 2003, p. 93.
- ^ a b c d e f g 田中孝治 1995, p. 209.
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- ^ a b c d 高野昭人監修 世界文化社編 2004, p. 8.
- ^ 小池すみこ 1998, p. 145.
- ^ “ふき俵 奈良県 | うちの郷土料理:農林水産省”. 農林水産省. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “ふき俵 三重県 | うちの郷土料理:農林水産省”. 農林水産省. 2023年4月5日閲覧。
- ^ 蕗からつくられる手漉き和紙「富貴紙-ふきがみ-」釧路市(2020年5月24日閲覧)
- ^ a b c 金田初代 2010, p. 133.
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