ザクのバリエーション その後のザクの流れを汲む機体

ザクのバリエーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/13 06:54 UTC 版)

その後のザクの流れを汲む機体

以下の機体はリンク先を参照。

レギュシオ・ザック

サイバーコミックス」に掲載された小説『TOP GUNDAM』に登場。

連邦に転向したジオン系の技術者F・レギュシオンによって設計された機体。作中では宇宙世紀0080年代後半における連邦軍の主力機となっており、舞台となる連邦軍のパイロット訓練校「TOP GUNDAM」に所属するハルトマン中尉も本機のカスタム機を乗機としている。

スザク(S・ザク・ザクIII改・改)

漫画『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』に登場。ネオ・ジオン総帥シャア・アズナブルの乗機。

武装はビーム・ライフルや、左右のフロント・スカートに搭載されたビーム・キャノン、ヒート・ホークを装備。外見はマラサイに似た頭部をはじめ、複数のジオン系MSの特徴を持っている。スカートにビームを備える構造はザクIIIと共通する。

巨神の発動を阻止すべくシャアが搭乗し、居合わせたアムロ・レイたちと協力して巨神の撃退に向かう。自軍のMS部隊は巨神の攻撃により壊滅状態に陥るが、メガゼータとの共闘により撃退に成功する。

RFザク(初期型)

漫画『機動戦士ガンダムF90』が初出。「初期型」および「後期型」の呼称は漫画『機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ (F90FF)』の関連企画「月刊モビルマシーン」による。

「オールズモビル」と呼ばれる、宇宙世紀0116年に蜂起したジオン残党系テロ組織(火星を拠点に移したあとは「火星独立ジオン軍」とも呼ばれる)が運用する「RF(リファイン[42])シリーズ[43]」のひとつ。外観はザクIIの「レプリカ」と言えるほどに同じであり、これは初期のほかのRFシリーズにも共通する特徴である。これは0105年のマフティー動乱以降、地球圏全域で「ザク」というMSを宇宙市民を護る「サイクロプス」、スペースノイドを虐げる「ガンダム」に立ち向かう「抵抗者」と捉えるカルチャーが生まれたことと無縁ではないとされる[43]

その一方で内部は高性能化されており、その性能はギラ・ドーガを上回り[44]グスタフ・カールと比肩する[43]。RFシリーズの設計は、ほとんどがジェガンヘビーガンと同様のユニバーサル規格によって高度にモジュール化されており、テロリストでも容易に調達が可能となっている[43]。外部のパイプなどはすべてダミーである[42]

作中での活躍
『F90』冒頭の0120年にサナリィがテスト運用中のF90 2号機を、ハンブラビが使用していた「海ヘビ」のようなワイヤー・アンカーを使用して捕獲・強奪する。その後も火星独立ジオン軍の主力機として、連邦軍追撃部隊の前にたびたび登場する。
漫画『機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統』では、0116年にサイド4コロニー「フロンティアI」でテロ活動を行う。
漫画『F90FF』でも0116年(初春とされる)の様子が描かれ、これはオールズモビルの最初の戦闘行動としている。またそれ以前の0115年末には、のちにオールズモビルに合流するテロ組織「NSP」がサイド2コロニー「アメリア」で右肩にAE社のロゴマークを記して作業用MSとして秘匿運用しており、それに気付いた特務部隊「ファステストフォーミュラ」のディル・ライダー准尉が1機を強奪してほかのRFシリーズ(ドムゲルググゲルググキャノンギャン)と交戦、ギャンを撃破する。その後、ディルは母艦でF90 2号機に乗り換える。このようにオールズモビル蜂起以前からジオン残党のいくつかでRFシリーズは運用されており、連邦軍参謀本部はこれら「懐古趣味」の機体群を揶揄して「オールズモビル」のコード・ネームを付けている[注 7]

RFザク(後期型)

諸元
RFザク
RF ZAKU
型式番号 OMS-06RF / MS-06RF[45]
所属 オールズモビル
頭頂高 18.0m[45] / 18.4m[46]
本体重量 24.6t[45] / 58.6t[46]
全備重量 45.8t[45]
装甲材質 ガンダリウム合金セラミック複合材[42]
出力 2,750kW[45]
推力 62,550kg[45]
センサー
有効半径
18,300m[42]
武装 120mmマシンガン
ビーム・ホーク
ビーム・ランチャー
クラッカー
シールド・マシンガン

スーパーファミコンゲーム機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場。

オールズモビルが軍組織としての活動を再開した宇宙世紀0121年以降に用いられた、後期型RFシリーズのひとつ。この頃にはそれまでの「レプリカ」とは異なり、必ずしも原型機と同じ外観や兵装には固執していない。これは、奪取したF90 2号機のデータがフィードバックされたこと、軍組織としてさらなる規格化が求められたこと、ブッホ・エアロダイナミクス社およびクロスボーン・バンガードの支援が得られたことに起因する[43]

火星基地の生産力は連邦軍ルナツー工廠に匹敵し、RFシリーズが500機生産されたと考えられている。後期型RFシリーズはムーバブル・フレームの共用性が高く、装甲と兵装を換装することでRFグフへと仕様変更が可能となっている[注 8]。RFシリーズの技術はオープンソース化され、オールズモビル戦役終結後も地球圏全域に拡散しており、モビルワーカーの生産設備があれば量産は難しくない[43]

武装
120ミリマシンガン
名称はゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズによる。『フォーミュラー戦記』ゲーム内の名称は「マシンガン」。
スペック表に「ビーム・ライフル」を記載した資料もあるが[46]、関連は不明。
ビーム・ホーク[45]
ゲーム内の名称は「B・ホーク」。『GGENERATION』などでは「ビーム・アックス」と呼ばれる。ビーム・スプレーガンを兼ねるとする資料もある[42]
ビーム・ランチャー[42]
ゲーム内の名称は「ランチャー」。「ビーム・バズーカ」とも呼ばれる[42]
クラッカー
ゲーム内で使用可能だが、スペックに記された資料はない。
シールド・マシンガン[46]
「2連装バルカン砲」とも呼ばれる[42]。ゲームでは使用できないが、設定画の右肩シールド下端に2門の砲口が確認できる。
作中での活躍
ゲーム序盤から中盤にかけての敵機として登場する。
ゲーム『GGENERATION』シリーズでは、『F90』のシナリオに登場するRFザクが初期型ではなく後期型の本機となっている。そのため「海ヘビ」を装備している。

ザク50

諸元
ザク50
ZAKU 50
型式番号 MS-50
武装 大型メガ粒子砲
大型ビームサーベル×2

ゲーム『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズに登場。宇宙世紀0130年に、アナハイム・エレクトロニクスがデモンストレーション用に開発したザクに似た大型MA。

一年戦争終結50周年記念イベントの一環として出展された宣伝用の機体。アナハイム社の実績と技術のアピールのため、かなりの高性能機にされている。

新生ザク

短編映像作品『GUNDAM Mission to the Rise』に登場。

光速域での活動を目的とした機体であり、形状はザク系列の意匠を残してはいるものの、流線形に近い独特なものになっている。性能などの詳細は不明。

光速への到達を目的とした作戦「MISSION TO THE RISE」のために発進した「新生ガンダム」を追撃すべく発進し、新生ガンダムとともにブラックホール内部へと突入する。


注釈

  1. ^ ゲーム中より。
  2. ^ 大河原による第1稿[20]。1号機とする資料もある[29]
  3. ^ 開発開始はブラウ・ブロと同時期とも[24]、ブラウ・ブロが一足先ともいわれる[21]
  4. ^ よく知られている設定画は「3号機」ともいわれる[33]。また、この3機を「MS-06Z Aタイプ」とする資料もある[16]
  5. ^ ペッシェの台詞でも同じ表記だが、アフレコでは「サイコミュ試験Z型」と言っている。
  6. ^ ペッシェの台詞では、原典と変わらず「サイコミュ高機動試験用ザク」。
  7. ^ それ以前の資料では、当初連邦軍はRFシリーズを旧式のものとみなして「オールズモビル」と呼称しているとされていた[42]
  8. ^ ゲームの攻略本では、RFグフと共通の内部ユニットをもつとされていた[45]

出典

  1. ^ a b c d e f g ガンダムメカニクス2 1998.
  2. ^ 『モビルスーツバリエーション・1・ザク編』114頁。
  3. ^ a b c 皆川ゆか機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』 講談社、324頁。
  4. ^ 『モビルスーツバリエーション・1・ザク編』25頁。
  5. ^ 『モビルスーツバリエーション・1・ザク編』115頁。
  6. ^ 『機動戦士ガンダムMS大全集2009』211頁。
  7. ^ プラモデル『1/144 ザク強行偵察型』解説より。
  8. ^ a b プラモデル『1/144 MS-06E-3 ザク“フリッパー”』説明書、バンダイ、1984年3月。
  9. ^ a b ガンダムエース09 2022, p. 34.
  10. ^ ガンダムエース12 2019, p. 18.
  11. ^ CodeFairy1 2021.
  12. ^ バトオペ2Twitter 2021.
  13. ^ a b MS大全集98 1998, p. 22.
  14. ^ 『ロマンアルバム・エクストラ35 機動戦士ガンダム』徳間書店、1980年7月、153頁。
  15. ^ a b c 『機動戦士ガンダム MS大全集』バンダイ、1988年2月、15頁。
  16. ^ a b c d e f 『1/144 Zタイプ・ザク』パッケージおよび付属メカニカルファイル、バンダイ、1984年5月。
  17. ^ a b c d MS大全集98 1998, p. 23.
  18. ^ a b MS大全集2013 2012, p. 13.
  19. ^ a b 「037 サイコミュ搭載試験用ザクII」『機動戦士ガンダムMSV COLLECTION FILE 宇宙編』講談社、1999年11月。ISBN 4-06-346550-0
  20. ^ a b c d MODA Twitter1 2022.
  21. ^ a b c d e f g h 「モビルスーツヒストリー9」『コミックボンボン』1983年10月号、講談社。
  22. ^ a b c d e f g h i 『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブック2』バンダイ、1983年5月30日、22頁。
  23. ^ ロボット魂MS開発秘録ジオング 2022.
  24. ^ a b c d e f g h i j k l 『1/144 高速機動型ザク』パッケージおよび付属メカニカルファイル、バンダイ、1984年5月。
  25. ^ a b c ガンダムセンチュリー』37頁。
  26. ^ 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション1 ザク編』講談社、1984年4月2日、2006年7月(復刻版)、32-33頁。ISBN 978-4063721751
  27. ^ 『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブック1』バンダイ、1983年3月、2頁。
  28. ^ Ζを10倍楽しむ本 1985, p. 143.
  29. ^ 皆川ゆか機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』 講談社、331頁。
  30. ^ MODA Twitter2 2022.
  31. ^ a b c ロボット魂MS開発秘録06Z 2022.
  32. ^ MODA Twitter3 2022.
  33. ^ 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション1 ザク編』講談社、1984年4月2日、126-129頁。
  34. ^ a b ロボット魂MS開発秘録N01 2022.
  35. ^ a b 「038 サイコミュ運用試験用ザクII」『機動戦士ガンダムMSV COLLECTION FILE 宇宙編』講談社、1999年11月。
  36. ^ 「30 サイコミュシステム高速機動試験機」『講談社のポケットカード9 機動戦士ガンダム MSVコレクション』1984年2月。
  37. ^ 岡本一広『機動戦士ガンダム ゼロの旧ザク』第2巻、角川書店、126頁。
  38. ^ 『機動戦士ガンダム サンダーボルト RECORD of THUNDERBOLT 2』ホビージャパン、2017年12月、68頁。
  39. ^ a b c d 小林誠「第1特集 小林誠プロデュース 機動戦士ガンダム ソロモンエクスプレス」『電撃ホビーマガジン 1999年7月号』、メディアワークス、1999年5月、11頁。 
  40. ^ a b 小林誠 [@makomako713] (2015年6月22日). "ソロモンエクスプレスより、ザク-ゾンビ。兵員の、不足を補う無人MS。劇中で指差す指揮官機はこれら無人機に指示を与えていたという解釈の遊び。1998年". X(旧Twitter)より2021年2月27日閲覧
  41. ^ a b F91プリクエル3 2021, p. 191.
  42. ^ a b c d e f g h i ガンダム事典1.5 2009, p. 312.
  43. ^ a b c d e f ガンダムエース03 2023, p. 356-357, 「月刊モビルマシーン縮刷版06」.
  44. ^ DC F91 1998, p. 12.
  45. ^ a b c d e f g h フォーミュラー戦記0122攻略本 1991, p. 15.
  46. ^ a b c d MS大全集98 1998, p. 52.





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