化粧張り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 02:09 UTC 版)
基礎工事で発生した砂や砂利は、コンクリートの材料として非常に適しており、そのまま躯体の本体となるコンクリート構造物の材料として有効活用され、これにより砂や砂利を別途調達する必要が無くなった。現在で言う「現場発生材の再利用」による「コスト縮減」である。建設に使用したコンクリートは合計で約36,000 m3にも上る膨大な量であったが、これらの縮減策により、約10万円の費用削減効果を得ることができた。 この約10万円を活用して、橋梁本体表面には化粧張りが施されることになった。これは県側の提案によるもので、内務省は建設事業に費用を拠出する立場上、この案に当初は難色を示し、また県の財政も潤沢ではなかったものの、結局敢えて化粧張りを断行するに至った。使われたのは茨城県真壁町(現在の桜川市)産の御影石で、装飾の設計は逓信省の建築技師の山田守が担当し、合計で約9000個の構造物が造られ、橋梁本体に取り付けられた。敢えて意匠(デザイン)に費用を投じたことで外観に重厚な趣と風格を与え、今日に至るまで新潟市のシンボルとして親しまれる橋となり、さらに機能面においても鉄筋コンクリート部の表面を保護し、河口部からの潮風による塩害や、構造物の経年劣化を軽減する役目も果たしている。
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