債務の株式化とは? わかりやすく解説

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さいむ‐の‐かぶしきか〔‐かぶシキクワ〕【債務の株式化】

読み方:さいむのかぶしきか

デット‐エクイティー‐スワップ


債務の株式化(さいむのかぶしきか)(debt equity swap)

不振企業債務株式切り替えること

銀行からの融資について、その一部返済免除してもらう代わりに企業新たに発行した株式受け渡すこと。経営不振企業経営建て直し向けて実行する

企業経営苦しいと、銀行から受けた融資返済ままならない過剰な債務経営における自由度奪い経営再建はいっそう難しくなる銀行側も、焦げ付いた融資回収半ば諦めかけている。

このような債務株式転換することは、企業側にも銀行側にも互いにメリットがある。企業から見ると、利息をつけて返済をしなければならない借入金株主資本切り替わるため、企業有利子負債圧縮できる一方銀行は、経営再建成功するという条件つきながらも、将来融資回収する上の利益受け取ることが可能だ

株式新規発行によって、既存株主にとっては1価値が下がるというデメリット発生するが、債務の株式化は、銀行など債権者向けた企業経営再建の手法として使われることが多い。

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(2002.07.18更新


債務の株式化


デットエクイティスワップ

(債務の株式化 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/21 00:29 UTC 版)

デット・エクイティ・スワップ: debt equity swap)とは、財務改善の手法の一つで、負債資本との交換である。貸し手の立場からは、債権を元手にした出資を意味する。日本語で「債務の株式化」と表現されることや、DES(デス[1][2])と略して表されることもある。

具体的には、会社に3000万円を貸し付けていたとすると、DESでは会社がこの3000万円を返済したことにする。しかし、実際には会社には返すお金がないので、返してもらったことになっている3000万円を会社に増資する。この操作により、実際のお金は一切動いていないが、会社としては返済義務のある借金が減り、それと同額だけ、返済の必要のない資本が増えることになる。バランスシート上も、自己資本比率が改善する。この手法は企業規模に関わらず広く用いられており、例えば産業再生機構などの再生案件でも頻繁に見られ、銀行が債権を放棄する代わりにDESを行うなどしている。しかし、安易なDESを抑制するため、2006年5月から施行された新会社法では、債権の「時価」(実際の資産価値)に応じたDESしか認めないこととされている。

貸し手側の利点

銀行が貸した先の会社が債務超過などで返済不能になった場合、銀行の行う救済策として、以前は「債権放棄」が一般的だった。銀行にとっては、債権放棄をするということは、その分だけ銀行の資産が減ることになる。

その点、DESであれば、貸したお金がなくなる代わりに相手の会社の株式が手に入るため、銀行の資産は増減せず、債権放棄と比較して抵抗なく行いやすい。また、その会社がきちんと再建して株式上場をするような事態になれば、大きな差益を得られる可能性もある。ただし、再建できない場合は株価が下落したり、あるいは破綻したりして、債権放棄のケースと同じような結果となることもある。

借り手側の利点

借金の返済を免除してもらえることが借り手側のメリットである。しかし、「現物」出資された債権の額面と債務の評価額(時価)との差額が「債務消滅益」となり、一定の条件を満たす場合以外は課税対象となる。

脚注

  1. ^ DES|M&A用語集”. www.nihon-ma.co.jp (2023年8月15日). 2023年9月21日閲覧。
  2. ^ DES(Debt Equity Swap )とは | デットエクイティスワップの意味とメリット | 山田コンサルティンググループ”. www.ycg-advisory.jp. 2023年9月21日閲覧。

「債務の株式化」の例文・使い方・用例・文例

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