イー‐シー‐アール【ECR】
ECR
【英】:Efficient Consumer Response
1980年代に米国で適用され始めた消費財企業における改革の考え方と方法論である。
起源は、ウォルマートストアーズ社とP&G社のベストプラクティスにある。
米国では、食品、日用雑貨業界企業の自主的組織であるVICS(The Voluntary Interindustry Commerce Standards Association)が推進母体となっており、その活動は今も継続している。
ECRでは、以下の4つの領域における改革機会を追求する。
(1)効率的な品揃え
(2)効率的なプロモーション
(3)効率的な商品補充
(4)効率的な決済
日本では、商慣習の見直し・取引ルールの簡素化・透明化に関する検討が必要となるケースが多い。また、国内には、業界を束ねる推進組織はなく、最近ではSCM(Supply Chain Management)の方が一般的になっている。
消費需要の低迷もあり、企業間における改革機会は放置されたままとの認識もあるが、外資小売の参入も一つの契機として、企業を超えた�メーカー−卸間SCM、�卸−小売間SCM、�メーカー−小売間SCMがこれから本格化すると考えられる。
ECR
エフィシェント・コンシューマー・レスポンス。食料品のサプライチェーン内の余剰コストを削減する目的で、小売業、問屋、メーカーが提携し、緊密な共同作業を行う戦略。ECRでは効率化を高める4つの分野に絞っている。単位売場当たり面積のカテゴリー商品販売を高め、在庫回転率向上のため、取扱商品と売場分配を最適化する。商品が製造され、店舗の棚に配置されるまでの物流の最大効率化。商談や販売促進コストの削減。新商品の開発や投入に要するコストの削減。衣料品業界で成功したQR(クイック・レスポンス)に学び、食品業界で1993年に発表し、取り組みが開始された。ECRが全面的に採用され、効果が発揮された場合、食品業界のサプライチェーン内で、1,300億ドルの流通在庫が削減され、在庫日数も100日から60日に短縮されるといわれている。
- efficient consumer responseのページへのリンク