スピンドルストンの醜い竜
(The Laidly Worm of Spindleston Heugh から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/15 19:54 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動スピンドルストンの醜い竜(スピンドルストンのみにくいりゅう。英: The Laidly Worm of Spindleston Heugh)とはイングランドのノーサンバーランド地方の伝承であり、AT分類450Aに分類される。[要出典]「スピンドルストンの醜い竜」はバラッド形式で[1] イングランドおよびスコットランドを中心に中世から口伝で後世に伝えられた。[要出典]
参考文献では「龍」の表記であるが、本記事では「竜」の表記で統一する。
伝承内容
ある日七王国時代の国の1つであるノーサンブリア王国のバンバラ城(Bamburgh Castle)の王が新しい后(女王)を連れて戻ってきた。しかし、ある騎士が女王と王女のいるその場で「王女様の方が美しく徳を備えた方だと思う」と言ってしまった。女王はこの言葉に嫉妬し、王女を魔法で醜い竜に変えてしまう。そして「行方知れずとなった王の息子、チャイルド・ワインド(Childe Wynd)が戻って来るまで、王女は2度と元の姿に戻れない」という呪いをかけた。竜になった王女は毒の息を吐き、毎朝牛7頭分もの分量のミルクを要求し、大地を荒らしまわった。
やがて、この竜の話は海の向こうにいるチャイルド・ワインドの元まで届いた。彼は「竜は自分の妹に違いない」と信じ、ナナカマドのマストのある船で竜の元に向かった。女王はチャイルド・ワインドの船を見て、手下の魔女に船を沈めるよう命じるが、魔女の魔法はナナカマドの持つ魔除けの力によって防がれてしまう。さらに兵士を送り込むが、これもチャイルド・ワインドらによって撃退されてしまう。
やがてチャイルド・ワインドは浅瀬から竜のいるスピンドルストン崖[注釈 1]へと上り、竜と対峙した。彼の「竜が自分を傷つけたら竜を殺す」という誓いを聞くと、竜は、武器を置いた上で自分に3回キスしてほしい、と言った。チャイルド・ワインドがその通りにしたところ、竜は洞窟の中に入っていき、次に出てきたときは王女の姿に戻っていた。
毎日嘆き暮らしていた王様は、王子と王女が戻ったことを喜んだ。チャイルド・ワインドは女王へ呪いをかけ、彼女を醜いヒキガエルに変えてしまった。こうしてバンバラ城の王族は幸せに暮らしたという[2]。
こんにち、スピンドルストン崖(スピンドルストーン崖)にはとぐろを巻いた竜(ワーム)の姿が再現されているという[3]。
脚注
注釈
- ^ ハーグリーヴス,斎藤訳 (2009) では「スピンドルストーン」または「プリドルストーン」と表記されている。
出典
- ^ 美濃部 (1998b)、135頁。
- ^ 美濃部 (1998a)、132-134頁。
- ^ ハーグリーヴス,斎藤訳 (2009)、57頁。
参考文献
- ハーグリーヴス, ジョイス「バンバラ(ノーサンバーランド州、イングランド)」『ドラゴン - 神話の森の小さな歴史の物語』斎藤静代訳、創元社〈アルケミスト双書〉、2009年11月、57頁。ISBN 978-4-422-21476-4。
- 『世界の龍の話』竹原威滋・丸山顯德編著、三弥井書店〈世界民間文芸叢書 別巻〉、1998年7月10日、初版。
ISBN 978-4-8382-9043-7。
- 美濃部 (1998a):美濃部京子「イングランド 6 スピンドルストンの醜い龍 ノーサンバーランド」132-134頁。
- 美濃部 (1998b):美濃部京子「イングランド 解説」134-135頁。
関連書籍
- デヴィッド・ウィーズナー再話・絵、キム・カーン再話、江国香織訳 『おぞましいりゅう』 BL出版、2006年10月。ISBN 978-4-7764-0203-9。(スピンドルストンの醜い竜伝承を絵本化した)
関連項目
- 竜王 (北欧民話)
- ロングウィットンの竜(ノーサンバーランド伝承)
「The Laidly Worm of Spindleston Heugh」の例文・使い方・用例・文例
- The Malay Times に掲載されていた、非常勤の下級アナリストの職に関する広告についてご連絡を差し上げています。
- ‘They are flying kites.' はあいまいな文である.
- 話し中です (《主に英国で用いられる》 The number's engaged.).
- 名詞相当語句 《たとえば The rich are not always happier than the poor. における the rich, the poor など》.
- 総称単数 《たとえば The dog is a faithful animal. の dog》.
- =《口語》 These kind of stamps are rare. この種の[こういう]切手は珍しい.
- 王立オペラ劇場 《the Covent Garden Theatre のこと》.
- 英国学士院 (The Royal Society)の会報.
- 初めて読んだ英文小説は“The Vicar of Wakefield”
- 『Scotish』は、『The Scottish Symphony』や『Scottish authors』、あるいは、『Scottish mountains』のような、より正式な言葉遣いの傾向がある
- STD(神学博士)はラテン語のSanctae Theologiae Doctorに由来する
- 『The boy threw the ball(少年がボールを投げた)』は、能動態を使う
- 『The ball was thrown(ボールは投げられた)』は簡略化された受動態である
- 1992年,「The Animals(どうぶつたち)」という本のために,まどさんの動物の詩のいくつかが皇后美(み)智(ち)子(こ)さまによって英訳された。
- 式典は,3Dコンピューターアニメ映画「I Love スヌーピー The Peanuts Movie」の米国公開の数日前に行われた。
- Microsoftがβ版をランチするのは「NetShow streaming server」で動画や音声をオンデマンドで提供する。
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 an admiral of the fleet 海軍元帥.
- 篏入的 r 音 《英音の India office /ndiərfɪs/の /r/の音》.
- (英国の)運輸省. the Ministry of Education(, Science and Culture) (日本の)文部省.
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