TGVに対する抗議運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 05:16 UTC 版)
TGVに対する環境問題での最初の反対運動は1990年5月にLGV地中海線の計画段階で起きた。抗議団体は鉄道の高架橋を封鎖し、計画中の路線に対して抗議した。抗議団体は「リヨンからマルセイユまでは在来線の列車で行けるので新たな路線は必要ない」と主張した。 Lyon Turin Ferroviaire(LTF)(リヨン - シャンベリ - トリノ)はLGVとイタリアのTreno Alta Velocità SpA(TAV)が建設する高速新線網に接続させる計画で、イタリアでは論議の対象であった。大部分のイタリアの政党はこの路線の建設に関して賛成しているが、建設が行われる沿線の住民は強く反対している。この路線では長大トンネルが建設されるが、反対者の意見では、トンネル掘削にともなって地中のアスベスト鉱石やウラン鉱石等の危険物質が空気中に飛散することを懸念した。このためトンネルからの排気から有害物質を除去する装置が設置されたが建設開始が6ヶ月遅れた。 沿線住民の懸念の他に、TAV網の整備に反対する国民的な反対運動も10年間継続している。フランスは日本などに比較すると人口密度が低いことからTGVの騒音問題はあまり深刻な問題ではないと一部で見られがちだが、SNCFはLGVが通過する町村における騒音問題を緩和する目的で沿線に防音壁などを設置している。また、LGV大西洋線のパリ郊外区間では騒音問題を回避するために、トンネル区間を設け最高速度も200km/hに落として運行している。しかし、対策が施されていない箇所では抗議運動が続いている。
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