T-705とは? わかりやすく解説

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ファビピラビル

別名:アビガンアビガン錠、T-705
英語:favipiravir

富山化学工業開発したインフルエンザ治療薬エボラ出血熱EVD)の治療薬としても期待されている。

日本国内では、2014年3月にファビピラビルを有効成分とする「アビガン錠」が厚生労働省から承認されている。ただし使用は「他の抗インフルエンザウイルス無効または効果不十分なものに限る」という特殊な条件下に限る。

既存比較的よく知られているインフルエンザ治療薬、「オセルタミビル」(タミフル)や「ザナミビル」(リレンザ)といった製品は、「ノイラミニダーゼ阻害薬」に区分される。これら薬剤ウィルス感染細胞から放出されるのを防ぐ作用を持つ。そのため感染して間もない時期投与では効果期待できるが、症状進みウィルス体内拡散してしまった段階ではほとんど効果期待できない他方、ファビピラビルは「ウィルスRNAポリメラーゼ阻害する」という薬理作用を持つ。つまり、ウィルス増殖直接阻害する作用がある。このためノイラミニダーゼ阻害薬とは異なり比較的遅い時期投与して効果期待できる

ただし、ファビピラビルを妊娠中の女性服用する胎児重篤な副作用を及ぼす危険のあることが知られている。厚生労働省がファビピラビル(アビガン錠)を承認する当たっては、同パンデミック発生まで商品厳格に管理し流通させないこと、および、投与中や投与後の避妊措置徹底させることなども条件挙げている。

ファビピラビルは、オセルタミビルタミフル)の耐性を持つウィルスや、H5N1亜型などの鳥インフルエンザAウィルスに対しても有効とされる実際2013年中国中心に流行した新型ウィルスH7N9亜型に対しては、既存薬剤有効性低く、ファビピラビルのみ効果見られたと報告されている。

2014年前半西アフリカエボラ出血熱EVD)が大流行アウトブレイク)し、医療関係者にも感染広がるなどして、8月現在、世界的流行パンデミック)が危惧されている。米国メディアブルームバーグ8月7日米国政府機関エボラ出血熱治療薬として利用可能とするためファビピラビルの承認手続き急いでいると報じたナイジェリアでもファビピラビルは未承認であるが、エボラ出血熱患者対するの使用本格的に検討していることが9月初頭報じられた。

関連サイト
ファビピラビル製剤の使用に当たっての留意事項 - 厚生労働省
富士フイルムのインフル治験薬、エボラ出血熱治療に有望か - ブルームバーグ 日本語2014年8月7日

T‐705

分子式C5H4FN3O2
その他の名称3-Hydroxy-6-fluoropyrazine-2-carboxamide、T-705、6-Fluoro-3-hydroxypyrazine-2-carboxamide、6-フルオロ-3-ヒドロキシピラジン-2-カルボキサミドファビピラビルFavipiravir
体系名:3-ヒドロキシ-6-フルオロピラジン-2-カルボアミド、6-フルオロ-3-ヒドロキシピラジン-2-カルボアミド



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