Sudden Decline
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 01:10 UTC 版)
「ニオイシュロラン」の記事における「Sudden Decline」の解説
疫病による枯死が最初に報告されたのは、1987年、北島でのことである。これはすぐにノースランド地方・オークランド地方に拡大して大流行を始めた。この症状は後に"Sudden Decline"と呼ばれることになる。影響を受けた木は葉が黄色に変色し、古い葉から萎れて落ち始め、2-12ヶ月で全ての葉を喪失する。新しい葉の成長も止まり、枯れた枝のみ、または乾燥した花序を残すのみとなる。同時に樹皮も弱くなり、すぐに脱落するようになる。枯死率は最大で、オークランド周辺で18-26%を記録した。 長年に渡ってこの現象の原因は不明で、加齢・菌類・ウイルス・紫外線量の上昇などが考えられた。また、他の地域から持ち込まれた個体をノースランド地方・オークランド地方に移植したことで、現地の環境に適応できていない株が普及してしまったことも要因の一つとして考えられている。ニュージーランドの土地情報局は、北島火山高原のタウポに在来植物の育種場を持っており、ここから公園・保護区・街路樹などの目的で本種個体が供給されていた。多くのノースランド地方の公園で、この個体が在来個体のすぐ近くに植えられており、その交雑した子孫は地域の環境にうまく適応していない可能性がある。5年間の研究の結果、Sudden Declineの原因は、おそらくオーストラリアから移入されたハゴロモ科昆虫のScolypopa australis によって媒介されるファイトプラズマの一種、Phytoplasma australiense であるとの結論が下された。 Sudden Declineによって各地の個体群は打撃を受け、特に北部では大型の木が全て枯死した場所もある。だが、農地など開けた場所の木が影響を受けた一方、自然林の木はあまり影響を受けなかった。北島南部と南島北部の個体でも、枝の枯死は少なく、症状は軽微だった。2010年までに、感染によって重い症状を示す個体は減少したというデータがある。
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