サルドゥリ2世
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/10 14:50 UTC 版)
サルドゥリ2世(Sarduri II, サルドゥルSardur、サルドゥリシュŠarduriš[1]とも)は、ウラルトゥの王。在位:紀元前753年頃‐735年頃。ウラルトゥ王国史上最大の版図を獲得したが、アッシリア帝国のティグラト・ピレセル3世に敗れ、ウラルトゥの衰退が始まった。
来歴
ウラルトゥ王アルギシュティ1世の息子。父を継いで王となり、その拡張政策を引き継いだ。北東のトランスコーカサス方面ではビアイニリ国などの抵抗にあったものの、サルドゥリ自身や将軍たちの軍事的才能でこれを破った。一方南方の宿敵アッシリアとは睨み合いが続いていた。アッシリアの鉄や馬の供給源であるアナトリア半島との連絡路をウラルトゥが抑えていたためである。サルドゥリはこの情勢に乗じて北シリアの小国を服属させてゆき、その勢力圏はウラルトゥ史上最大のものとなった。
転機となったのは、紀元前745年頃にティグラト・ピレセル3世がアッシリア王に即位したことである。先王アッシュール・ダン3世やアッシュール・ニラリ5世とは対照的に、ティグラト・ピレセルはオリエントにおける覇権を脅かすウラルトゥの脅威に武力で対抗することを決意、軍制改革に乗り出した。ティグラト・ピレセルは交通の要衝である北シリアに出兵してウラルトゥ勢力の排除に努めた。ウラルトゥに与していた北シリアのアルパドは3年にわたりアッシリア軍の攻撃を防いだが、紀元前735年に来援したウラルトゥ軍はアッシリア軍とユーフラテス河西岸で決戦して敗北、サルドゥリ自身は首都トゥシュパ(ヴァン)に逃げ帰った。アッシリア軍はこれを追撃してトゥシュパを攻撃したという。
この敗戦でアッシリアに国境地帯を奪われたほか、ウラルトゥから離反する総督も現れ、またサルドゥリ自身もアッシリア軍に討ち取られたともいわれている。サルドゥリの治世にウラルトゥ王国は絶頂期から衰退に転じたのである。サルドゥリの跡は息子のルサ1世が継いだ。
脚注
- ^ 『アジア歴史事典』第1巻(平凡社、1984年)の「ウラルトゥ王国」項目(執筆者:杉勇)
参考文献
- Пиотровский Б. Б. Ванское царство (Урарту), Издательство Восточной литературы, Москва, 1959
- (邦訳)『埋もれた古代王国の謎 幻の国ウラルトゥを探る』(ボリス・ボリソヴィッチ・ピオトロフスキー著 加藤九祚訳 岩波書店) ISBN 9784000001601 (4000001604)
- Меликишвили Г. А. Урартские клинообразные надписи, Издательство АН СССР, Москва, 1960
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「Sarduri II」の例文・使い方・用例・文例
- フェーズIとフェーズIIで許容副作用を伴い効果的であることが示される治療あるいは薬品の大規模な臨床試験
- 1228年から1229年までの十字軍は、病気になった神聖ローマ帝国皇帝フレディリックIIで導いて、法王によって破門されました
- 330,000人の連合軍隊が敵火の下で絶望的な退却において、北フランスの浜辺から避難しなければならなかった世界大戦IIの陸海空共同の避難(1940年)
- 腎臓にアンジオテンシンIIができるのを阻止し、動脈を弛緩してくれる抗高血圧薬
- アンジオテンシンIIへのさきがけであるアンジオテンシンの生理学的に不活発な形態
- 高血圧を治療するのに用いられるアンギオテンシンII抑制剤
- ASCII文字セットは最も一般的に用いられている文字セットである
- 王を補足したと考えられるI歴代志とII歴代志の旧約聖書の旧名
- ウルガタ聖書(IIエスドラス書を除いて)に含まれるが、ユダヤやプロテスタント版の聖書では省略される旧約聖書の14冊
- I歴代志、II歴代志、エズラ、およびネヘマイアからの編集から成る外典
- フレディリック神聖ローマ帝国皇帝IIを破門して、聖地に対して新しい十字軍を計画していた1245年の西方教会の協議会
- キャサリンIIの愛人であり、1762年に彼女が権力を握る支援を行ったロシアの役員で政治家
- 遺伝的に第VIII因子が欠乏するために生じる血友病
- アンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変えるタンパク質分解酵素
- 血液凝固において、トロンビンは第XIII因子をフィブリンが分解しにくい凝血塊の形成を引き起こす(フィブリナーゼ)活性型に触媒する
- パーシングIIというミサイル
- SALTII条約という2国間軍縮条約
- SALTII条約という2国間軍縮条約の内容
- 宇宙開発事業団と航空宇宙技術研究所は,2004年にH-IIAロケットでHOPE-Xを打ち上げる計画をしていた。
- 72歳の映画監督と彼の息子は,9月25日,新作映画「バトル・ロワイアルII」の製作を発表するため,記者会見を行った。
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