RMAの推進
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1980〜1990年代から進められてきた新たな兵器の開発が、21世紀に入り成果を産みはじめ、無人兵器に代表される従来の兵器とは異なる軍事技術が実用化されるようになってきた。長距離を無着陸で米本土から世界中を高精度で爆撃できる技術により、従来の戦略爆撃と同様の用兵で戦術爆撃や近接航空支援が行なえるようになっている。また、無人航空機による偵察や攻撃も実用段階にあり、さらに改良が加えられている。海や空から発射される巡航ミサイルは、GPS誘導だけでなく目標画像による識別能力が備わっている。21世現在では人工衛星による通信ネットワークが軍用・民間用ともに充実しているため、指揮や誘導のために前線や前線に近い場所に居る必要性が薄れていて、偵察衛星による監視能力の向上もこれを支えている。 民主主義世界の先進国では、戦闘によって死亡する兵士が多いと政権の不安定化に結びつくことが多く、戦場での兵士数を最小にしたまま無人兵器によって遠隔攻撃する戦闘形態は、将兵の損耗が避けられ、軍隊と国民の支持が得やすいと考えられる。また、海外派兵の多くは将兵が家族と長期に渡り引き離される場合が多く、この改善は誰からも喜ばれる。また、米国の軍需産業も高機能(で高価)な兵器の大量使用によって人的損耗を避けるという選択は、冷戦後に急速に減少した兵器需要を支えるものとして歓迎し、軍産複合体を米軍再編へと突き動かす動機となる。
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