LOVE SONG BLUE
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『LOVE SONG BLUE』 | |||||
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玉置浩二 の スタジオ・アルバム | |||||
リリース | |||||
録音 | ソニー信濃町スタジオ | ||||
ジャンル | |||||
時間 | |||||
レーベル | ソニーレコード | ||||
プロデュース | |||||
チャート最高順位 | |||||
玉置浩二 アルバム 年表 | |||||
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玉置浩二関連のアルバム 年表 | |||||
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『LOVE SONG BLUE』収録のシングル | |||||
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『LOVE SONG BLUE』(ラブソングブルー)は、日本のシンガーソングライターである玉置浩二の4枚目のオリジナル・アルバム。
1994年12月12日にソニー・ミュージックレコーズからリリースされた。前作『カリント工場の煙突の上に』(1993年)より約1年3ヶ月振りとなるオリジナル・アルバムである。作詞はほぼ全曲で玉置と田村コウが担当、作曲は全て玉置が担当、プロデューサーは玉置と須藤晃が担当している。
レコーディングにはサウンド・プロデューサーとして星勝が安全地帯の7枚目のオリジナル・アルバム『安全地帯VII〜夢の都』(1990年)以来でプロデュース業として参加している。音楽性は前作に続きアコースティックな音使いをメインとしているが、ロック調のアップテンポの曲が前作よりも多く収録されており、またほぼ全曲に亘って玉置が作詞を行っている事を特徴としている。
本作からは先行シングルとして日本テレビ系テレビドラマ『おれはO型・牡羊座』(1994年)の主題歌として使用された「LOVE SONG」がシングルカットされた。本作はオリコンアルバムチャートにおいて最高位第18位となった。
背景
前作『カリント工場の煙突の上に』(1993年)リリース後、玉置は前年に引き続き俳優業として映画や単発テレビドラマに多数出演しており、11月20日公開のビートたけし原作の映画『教祖誕生』に出演した[3]他、12月27日放送の関西テレビテレビドラマ『愛の降る街・領収書物語2』の一話「愛が言った」に出演[4]、1994年2月21日放送の関西テレビテレビドラマ『愛と疑惑のサスペンス』の一話「夢の帰る場所」に出演、同ドラマでは劇伴を玉置が担当し、エンディングテーマとして本作収録曲「SACRED LOVE」が使用された[5]。
同時期にコンサートツアーは行われていなかったが、坂本九のプロデューサーであった金子洋明から「あなたは絶対に歌わなきゃだめだ」と後押しされた事から再びライブを行う事を決意し、また金子から「まずレコードじゃなく、コンサートからやるんだ。とにかくあなたの声を聴かせろ」と言われた事を切っ掛けにアルバム『カリント工場の煙突の上で』や『あこがれ』(1993年)の収録曲を中心としたライブを開催する事となった[6]。玉置と金子との出会いはかつて玉置が敬愛していた坂本を追悼した曲「星空におちた涙」(安全地帯の6枚目のオリジナル・アルバム『安全地帯VI〜月に濡れたふたり』(1988年)に収録)を坂本の妻であった柏木由紀子に贈った事が縁となり、1991年8月8日に行われた七回忌の席上で坂本のプロデューサーであった金子と邂逅する事となった[7]。玉置はその席上で前田憲男によるオーケストラ・アレンジにて「星空におちた涙」を歌唱した[7]。これらの出来事が切っ掛けとなり、1993年頃に玉置が安全地帯としての活動を休止し音楽活動に対して強い疑念を抱いていた時期に、玉置自身が金子にアプローチした事から前述のプライベートでの接触へと繋がった[8]。
同年には国連UNESCOの呼びかけによって奈良県東大寺仏殿前庭にて開催されたライブイベント「GME '94 〜21世紀への音楽遺産をめざして〜 AONIYOSHI」に、5月20日および21日、22日の3日間に亘って参加した[9]。7月19日および20日にはグランドプリンスホテル新高輪内の宴会場「飛天」にて「MID-SUMMER CONCERT IN HITEN '94 玉置浩二 LOVE~昨日から明日まで~」と題した二夜限定のスペシャルライブを実施[10]、同ライブには安全地帯のドラムスである田中裕二が参加した[11]。田中は玉置から要請があった際にライブへの参加に躊躇していたが、玉置より渡されたデモテープに収録されていた「星になりたい」の一節「約束したよね」という部分を聴いて参加を決心した[11]。
リリース、プロモーション
本作は1994年12月12日にソニー・ミュージックレコーズからCDおよびMDの2形態でリリースされた。先行シングルとしてリリースされた「LOVE SONG」は日本テレビ系テレビドラマ『おれはO型・牡羊座』(1994年)の主題歌として使用された[12]。本作収録曲である「星になりたい」は同ドラマの挿入歌として使用され[13]、「SACRED LOVE」は玉置主演の関西テレビ制作「愛と疑惑のサスペンス『夢の帰る場所』」の挿入歌およびエンディングテーマとして使用された[14]。また、本作収録曲である「正義の
本作に関するテレビ出演として、同年11月21日放送のフジテレビ系音楽番組『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(1994年 - 2012年)に出演[15]した際は、本作のほかに安全地帯の楽曲である「ワインレッドの心」(1983年)、「恋の予感」(1984年)、「悲しみにさよなら」(1985年)をメドレー形式で演奏、さらにギター1本による弾き語りで「じれったい」(1987年)が披露された。
2018年8月15日には紙ジャケットのSHM-CD仕様にて再リリースされた[16][17]。
ツアー
本作を受けてのコンサートツアーは「正義の
批評、チャート成績
専門評論家によるレビュー | |
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レビュー・スコア | |
出典 | 評価 |
CDジャーナル | 肯定的[22] |
TOWER RECORDS ONLINE | 肯定的[23] |
本作の音楽性に関しては肯定的な意見が挙げられており、音楽情報サイト『CDジャーナル』では、当時の玉置がアコースティックなサウンドで落ち着いたアダルトなイメージが強かった事を指摘した上で、本作ではイメージ通りの曲の他に「どちらかというとロックなはじけた作品が多い」と指摘、さらに「応援歌的、メッセージ的な楽曲もあったりして、ちょっと驚く」と意外性が高い事を肯定的に評価した[22]。音楽情報サイト『TOWER RECORDS ONLINE』では、全10曲の内9曲の作詞に玉置が携わっている事を指摘した上で、「シンガー・ソングライターとしての幅もさらに広がった作品」と肯定的に評価した[23]。
本作はオリコンアルバムチャートにおいて最高位第18位の登場回数は5回で、売り上げ枚数は6.1万枚となった[24]。本作の売り上げ枚数は1988年以降の玉置浩二のアルバム売上ランキングにおいて第6位となった[25]。2023年および2024年に実施されたねとらぼ調査隊による玉置のアルバム人気ランキングにおいてともに第6位となった[26][27]。
収録曲
- CDブックレットに記載されたクレジットを参照[28]。
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 「正義の
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玉置浩二 | 玉置浩二 | 玉置浩二、星勝 | |
2. | 「いい顔で」 | 玉置浩二、田村コウ | 玉置浩二 | 玉置浩二、星勝 | |
3. | 「愛してるよ」 | 玉置浩二 | 玉置浩二 | 玉置浩二、星勝 | |
4. | 「ふたりなら」 | 玉置浩二、田村コウ | 玉置浩二 | 玉置浩二、星勝 | |
5. | 「SACRED LOVE」 | 玉置浩二 | 玉置浩二 | 玉置浩二、星勝 | |
6. | 「ROOTS」 | 玉置浩二、田村コウ | 玉置浩二 | 玉置浩二、星勝 | |
7. | 「最高でしょ?」 | 玉置浩二、田村コウ | 玉置浩二 | 玉置浩二、星勝 | |
8. | 「愛してんじゃない」 | 田村コウ | 玉置浩二 | 玉置浩二、星勝 | |
9. | 「LOVE SONG」 | 玉置浩二、田村コウ | 玉置浩二 | 玉置浩二、星勝 | |
10. | 「星になりたい」 | 玉置浩二 | 玉置浩二 | 玉置浩二、星勝 | |
合計時間:
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スタッフ・クレジット
- CDブックレットに記載されたクレジットを参照[29]。
参加ミュージシャン
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録音スタッフ
- 玉置浩二 – プロデューサー
- 須藤晃 – プロデューサー、ディレクター
- 星勝 – サウンド・プロデューサー
- 田中邦明 – レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニア
- 中山大輔 – レコーディング・エンジニア
- 大川正義 – レコーディング・エンジニア
- 伊豫部富治 – レコーディング・エンジニア
- 飯泉“toppy”俊之 – レコーディング・エンジニア
- 後藤昌司 – レコーディング・エンジニア
- 橋本仁司 – アシスタント・エンジニア
- 藤原成文 – アシスタント・エンジニア
- 小林真司 – アシスタント・エンジニア
- 笠井鉄平 – マスタリング・エンジニア
- 堀内寿哉 – マスタリング・エンジニア
- トマト畑 – マネージメント・オフィス
- 恩田裕子 – マネージメント
- 渋谷博 – マネージメント
- 大野祥孝 – ミュージシャン・コーディネート
美術スタッフ
- 高原宏 – アート・ディレクション
- そごいちろう – デザイン
- 大山千賀子 – 写真撮影
- 三浦憲治 – 写真撮影
- 遠山直樹 – スタイリスト
- 関口功 – ヘアー&メイク・アップ
制作スタッフ
- 内田久喜(ソニーレコード) – プロモーション・スタッフ
- 金子洋明 – スペシャル・サンクス
- MIYASHITA-KUN – スペシャル・サンクス
- KAMISAMA – スペシャル・サンクス
- ISHIMARU-CHAN – スペシャル・サンクス
- KŌCHŌ – スペシャル・サンクス
- N-FAMILY – スペシャル・サンクス
- HAZE-CHAN – スペシャル・サンクス
- INAGAKI-SAN – スペシャル・サンクス
- 中沢慎太郎 – スペシャル・サンクス
- 金子章平 – スペシャル・サンクス
- 渡辺純一 – エグゼクティブ・プロデューサー
チャート
チャート | 最高順位 | 登場週数 | 売上数 | 出典 |
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日本(オリコン) | 18位 | 5回 | 6.1枚 | [24][2] |
リリース日一覧
No. | リリース日 | レーベル | 規格 | カタログ番号 | 備考 | 出典 |
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1 | 1994年12月12日 | ソニー・ミュージックレコーズ | CD | SRCL-3093 | [22][30] | |
2 | MD | SRYL-7176 | ||||
3 | 2012年11月7日 | ソニー・ミュージックダイレクト | AAC-LC | - | デジタル・ダウンロード | [31] |
4 | ロスレスFLAC | - | デジタル・ダウンロード | [32] | ||
5 | 2018年8月15日 | ソニー・ミュージックダイレクト/GT music | BSCD2 | MHCL-30521 | 紙ジャケット仕様 | [33][23] |
脚注
- ^ “玉置浩二/ラヴ・ソング・ブルー”. 国立国会図書館サーチ. 国立国会図書館. 2025年6月22日閲覧。
- ^ a b “LOVE SONG BLUE|玉置浩二”. オリコンニュース. オリコン. 2013年5月17日閲覧。
- ^ “教祖誕生”. Movie Walker. ムービーウォーカー. 2020年1月2日閲覧。
- ^ “愛の降る街・領収書物語(2) 「重役の恋」「愛が言った」「よろしくサンタさん」 - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2019年12月30日閲覧。
- ^ “夢の帰る場所 - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2019年12月30日閲覧。
- ^ 志田歩 2006, p. 144- 「第8章 歌をつなぐ者」より
- ^ a b 志田歩 2006, p. 141- 「第8章 歌をつなぐ者」より
- ^ 志田歩 2006, p. 142- 「第8章 歌をつなぐ者」より
- ^ “GME'94~21世紀への音楽遺産をめざして~AONIYOSHI@東大寺 (奈良県) (1994.05.21)”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2019年1月26日閲覧。
- ^ “MID-SUMMER CONCERT IN HITEN '94 『玉置浩二 LOVE~昨日から明日まで~』”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2020年1月2日閲覧。
- ^ a b 志田歩 2006, pp. 181–182- 「第12章 21世紀の安全地帯」より
- ^ “玉置浩二&安全地帯、オールタイム・ベストをリリース”. CDジャーナル. 音楽出版社 (2017年2月28日). 2019年12月29日閲覧。
- ^ “玉置浩二 星になりたい 歌詞”. 歌ネット. ページワン. 2025年6月22日閲覧。
- ^ “夢の帰る場所 - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2025年6月22日閲覧。
- ^ “HEY!HEY!HEY!過去の出演者一覧表”. HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP. フジテレビジョン. 2025年6月22日閲覧。
- ^ mio (2018年5月24日). “玉置浩二 オリジナルアルバム 紙ジャケットコレクション発売”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2019年9月7日閲覧。
- ^ “玉置浩二のソロアルバム13作品を紙ジャケ再発”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2018年8月15日). 2019年9月7日閲覧。
- ^ a b 志田歩 2006, pp. 182–183- 「第12章 21世紀の安全地帯」より
- ^ 志田歩 2006, p. 128- 「第7章 生きていくんだ!」より
- ^ 志田歩 2006, p. 153- 「第9章 巡り逢ってしまった者たち」より
- ^ 「玉置浩二が歌手安藤さと子と離婚」『Nikkansports.com』日刊スポーツ新聞社、2007年12月2日。2020年1月2日閲覧。
- ^ a b c “玉置浩二 / ラヴ・ソング・ブルー”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2019年12月30日閲覧。
- ^ a b c JMD (2018年6月4日). “玉置浩二/ラブ ソング ブルー<完全生産限定盤>”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2019年12月30日閲覧。
- ^ a b オリコンチャート・ブック アルバムチャート編 1999, p. 90.
- ^ “玉置浩二のシングル売上TOP20作品”. オリコンニュース. オリコン. 2025年6月22日閲覧。
- ^ “「玉置浩二」オリジナルアルバム人気ランキングTOP13! 第1位は「JUNK LAND」に決定!【2023年最新投票結果】 (4/5)”. ねとらぼ調査隊. アイティメディア. p. 4 (2023年4月13日). 2025年6月22日閲覧。
- ^ “「玉置浩二のオリジナルアルバム」人気ランキングTOP13! 第1位は「JUNK LAND」【2024年最新投票結果】 (4/5)”. ねとらぼ調査隊. アイティメディア. p. 4 (2024年4月18日). 2025年6月22日閲覧。
- ^ LOVE SONG BLUE 2018, p. 2.
- ^ LOVE SONG BLUE 2018, pp. 5–20.
- ^ “玉置浩二/LOVE SONG BLUE”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2025年6月22日閲覧。
- ^ “LOVE SONG BLUE/玉置 浩二|音楽ダウンロード・音楽配信サイト”. mora. ソニー・ミュージックソリューションズ. 2025年6月22日閲覧。
- ^ “LOVE SONG BLUE/玉置 浩二|音楽ダウンロード・音楽配信サイト”. mora. ソニー・ミュージックソリューションズ. 2025年6月22日閲覧。
- ^ “玉置浩二 / ラブ ソング ブルー [紙ジャケット仕様] [Blu-spec CD2] [限定]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2025年6月22日閲覧。
参考文献
- 『オリコンチャート・ブック アルバムチャート編 昭和62年-平成10年』オリコン、1999年7月26日、90頁。 ISBN 9784871310468。
- 志田歩『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』雲母書房、2006年4月30日、141 - 183頁。 ISBN 9784876722006。
- 『LOVE SONG BLUE』(CDブックレット)玉置浩二、ソニー・ミュージックダイレクト、2018年、2 - 17頁。MHCL-30521。
外部リンク
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