KTM-5M(КТМ-5М)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 09:53 UTC 版)
「KTM-5」の記事における「KTM-5M(КТМ-5М)」の解説
試作車のKTM-5の実績を基に、より先進的かつ低コスト・低重量な車両を目標に開発が行われた量産形式。軽量化のため車体の製造にあたっては繊維強化プラスチックが多用され、試作車と比べて重量が2 - 3 t減少した。座席も従来の2人掛け・1人掛けのクッション付き座席から、背もたれにクッションが設置された独立式のプラスチック製座席に変更された。更に車体デザインについても、曲線を多用したKTM-5から大きく変化し直方体状の外観へと改められた。 1965年から1967年にかけて計5両の量産先行車が導入され、換気装置や窓の構造などの比較が実施された。その結果を基に1969年から量産が始まり、計620両がソ連各地の路面電車に導入された。だが、1970年に入ると電気機器や制動装置の故障が多数報告された他、それが起因となった火災が頻出し、プラスチック製の車体の燃焼により発生した有害物質が原因の化学中毒による死者が報告される事態となった。その結果、ウスチ=カタフスキー車両製造工場にはソ連一般工学省とRSFSR公益事業省から車両設計変更の命令が下され、安全性を高めた車両の開発が行われる事になった。これに伴い、KTM-5Mの半数以上は同工場で改修工事が行われた一方、それ以外の車両は各地の路面電車事業者による改造が実施された。 2020年現在、カザフスタンのパヴロダル市電に1971年製のKTM-5Mが1両残存しており、同年の時点で世界で最も古いKTM-5となっている。
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