KISSの法則とは? わかりやすく解説

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KISS

フルスペル:Keep it Simple, Stupid
読み方キス
別名:KISSの法則,KISSメソッド

KISSとは、サイトデザインやSEO用いられる言葉で、「構造できるだけ簡単にせよ」という趣旨格言である。KISSは「Keep It Simple, Stupid.」の略語で、和訳すれば「単純にしろよ、バーカ」といった意味となる。

Webサイト構成は、一般に単純明快であればあるほどアクセシビリティアクセス容易性)の向上につながるとされる内容把握しやすく、また利用方法が単純・簡単であればあるほど、「使いやすいページ」として認識される。KISSの法則は、Webサイト内で人が見る部分ページレイアウトやリンクの関係など)についても、また検索エンジンが見る部分HTMLコードなど)についても、共通する事柄であるとされる

あまりに複雑な構成WebサイトWebページは、ユーザー目的情報を見つけ出せず、また目的情報にへたどり着けないという弊害もたらすことが多い。また、ページあたりの情報量むやみに多かったり、あるいは特殊なスクリプト言語あまりに多用している場合なども、読み込みにも時間がかかるなど、何かとユーザー不便さ感じさせる機会多くなる

同じくSEO観点からも、KISSの法則は重要視されるサーチロボットタグ認識して重要なキーワードやWebサイトテーマ認識し、またリンクをたどって下位階層Webページ発見したりするものである。このとき、いたずらに複雑で膨大な量の記述は、ソースコード論理的エラー引き起こしやすくなり、サーチロボットスムーズな読み込み妨げやすくなる結果的にサーチロボットはそのWebページ重要視しなくなり検索エンジンにおける順位下位位置づけられてしまう。


KISSの原則

(KISSの法則 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/29 00:34 UTC 版)

KISSの原則 (キスのげんそく、: KISS principle) とは、「Keep it simple stupid.」(シンプルで愚鈍にする)、もしくは「Keep it simple, stupid.」(シンプルにしておけ!この間抜け)、もしくは「Keep it short and simple.」(簡潔に単純にしておけ)という内容の、1960年代米国海軍において言われた、経験的な原理・原則[1]略語。その意味するところは、設計の単純性(簡潔性)は成功への鍵だということと、不必要な複雑性は避けるべきだ、ということである。

由来

この言葉は、ロッキードスカンクワークスの技術者のケリー・ジョンソン(1910-1990)によって造られた。

この言葉は、一般には

Keep it simple, stupid.(シンプルにしておけ!この間抜け)

と解釈されるが、ジョンソン自身は「simple」と「stupid」の間に句読点のない

Keep it simple stupid.(シンプルで愚鈍にする)

と書いていた。そのため元々この言葉にエンジニアを馬鹿にする意図はなかった。

この原則の実例として次のような逸話がある。ジョンソンが設計チームに一握りの工具を手渡して、平凡な整備兵戦闘状況で、この工具だけを使って修理ができるようなジェット戦闘機を開発しろと課題を出したのである。

類似の概念

この原則の起源と思われる似た概念がいくつかある。例えば、

などである。

KISSの原則に逆らった例

ルーブ・ゴールドバーグ・マシンは、KISSの原則の逆に、度を過ぎた複雑な解決法を取った場合にどのようなことが起こるかを示している。

また、シンプルな設計のソ連ソユーズロケットは比較的信頼性が高く 1960年代から現在に至るまで使われつづけているのに対し、「(250万個もの部品を使い)人類がこれまでに製造した中で最も複雑な機械」などと言われている米国製スペースシャトルの信頼性が比較的低く、事故を何度も起こし、死者も多数出し、5機中2機を失い、保守費用が巨大化し、2011年に廃止になってしまったことでも示されている。

ソフトウェア開発

KISSの原則に反して、仕様が徐々に複雑化していくことは、ソフトウェア開発の世界でよくみられる。これは、「なし崩しの機能追加主義」として知られる[1]。ソフトウェアが複雑になるにつれて、使い方を習得する時間が増えたり、操作に手間取ったり、どれが重要な機能なのか分からなくなったりする。さらには、ハードウェアへの要求スペックが高くなったり製品価格が高くなったりもする。しかし、大多数のユーザーが実際に使用する機能は、そのごく一部であったりする。ユーザへの負担や開発コストを考えると、単純なソフトウェアの方がユーザフレンドリかつ生産性が高い可能性がある。

アニメ業界

著名なアニメーターのリチャード・ウィリアムズ英語版は、その著書[2]の中で KISS の原則を説明している。また、ディズニー社のナイン・オールドメンも、アニメーターのバイブルとされる本[3]の中でこの原則について書いている。経験の浅いアニメーターはしばしば、動かしすぎをしたり、やりすぎをする。身振りや表情や口の動きを、ことさら強調しすぎたりするのである。ウィリアムズはアニメーターたちに KISS の原則を考えろと言っている。

脚注

  1. ^ a b Keep it Simple Stupid”. The Jargon File, version 4.4.7. 2009年4月11日閲覧。
  2. ^ : The Animator's Survival Kit
  3. ^ : Disney Animation: The Illusion of Life

関連項目



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