JPEG XR規格の位置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/28 17:22 UTC 版)
「JPEG XR」の記事における「JPEG XR規格の位置」の解説
画像情報を扱う標準フォーマットでは、従来最も標準的に使用されているJPEG規格がある。JPEGの3原色ごとに8ビット(256階調)までの色情報では10ビット(1024階調)まで判別可能とされる人間の認識力に対応できず、デジタルカメラが高性能化した1990年代からはカメラの性能を生かす画像フォーマットとしては限界が生じていた。 デジタルカメラで撮影する場合でも、特に一眼レフ機を使用するユーザーのように撮影画像情報をオリジナルのまま保存したい場合には、その画像情報はカメラ内部での画像情報フォーマットであるRAW画像形式で外部に取り出されることが多く、この場合には1色当り12ビット以上となり、圧縮も考慮されないため画像ファイルがかなり大きくなる。ファイルサイズの増大はフラッシュメモリやハードディスクドライブ、書き込み用DVDが廉価になっているので20世紀ほど大問題ではないが、カメラ単体での撮影枚数が制限される点では不便であり、カメラ内部ではRAW形式からJPEG形式へ変換後、フラッシュメモリ等の内部記憶チップに保存されるという使われ方が多い。この時のJPEGの変換は非可逆変換による圧縮処理であり、これによって元画像が持っていた色の階調情報は各色8ビットに切り捨てられる。 可能であるならばRAW形式かJPEG形式という2つの形式だけでなく、カメラ内部でTIFF形式やPNG形式へ変換後、カメラ内のメモリーカードに記憶するような中間的な方法があっても良さそうだが、TIFF形式やPNG形式ではJPEGの何倍ものファイルサイズとなってしまうので撮影枚数が制限される点や、TIFF形式ではほとんどのウェブブラウザが対応していない点などがデメリットとなり、保存フォーマットとしては避けられている。RAW形式では、カメラからPCなどへ画像データを移動・保管し、ウェブや携帯画像ビューワー上での表示が必要な場合に、カメラに付属のソフトウェアでRAW形式からJPEG形式に変換されることが多い。 上記のRAW形式の汎用性の低さや階調情報の問題は、JPEG XRの採用と普及によって解決できると見られていた。マイクロソフトでは、JPEG XRがISO/IEC規格となれば、ロイヤリティーを無料にするとしていた。その後、マイクロソフトはJPEG XRの使用・実装に対して特許を主張しない「Community Promise」を適用した。
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