JAXAの追跡管制網
追跡管制の業務内容
追跡管制とは、人工衛星の打上げ後の衛星追跡、軌道投入の確認、衛星機能の確認などのことです。これらの業務は、筑波宇宙センターの筑波追跡管制センター(TACC)の指示のもとに各宇宙通信所(追跡管制所)が協力しておこないます。TACCは、日本における人工衛星追跡管制の中心の機関で、次の業務をおこなっています。
人工衛星の追跡
各宇宙通信所から送られてくる人工衛星の軌道データをコンピュータで処理して、衛星の軌道決定のための計算をします。
人工衛星の管制
各宇宙通信所から送られてくる人工衛星の状態のデータをコンピュータで処理して、衛星の監視をするとともに、衛星の姿勢や軌道の制御計画を作成します。
追跡管制網の統括(とうかつ)
追跡管制網を構成する各宇宙通信所の監視・制御をして、各関係機関に追跡管制作業の指示連絡と調整をします。
追跡管制システムの開発
追跡管制に必要な設備やコンピュータ・プログラムの開発や試験をおこない、人工衛星の打上げに備えています。また、これらのシステム開発に必要な研究をおこないます。
追跡管制システムとネットワーク
衛星の動作を制御し、管理運用するための指令は、筑波追跡管制センター(TACC)から宇宙通信所(追跡管制所)を経由して衛星に送られます。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の追跡管制網は、沖縄・増田・勝浦の各宇宙通信所、キルナ可搬型追跡管制局(スウェーデン)、さらに外国局を加えた追跡管制網により行われます。外国局には米国NASA JPLの協力によりゴールドストーン(米国)、マドリード(スペイン)、キャンベラ(オーストラリア)が加わります。TACCを中心に、各局との間で追跡管制網を構成し、昼夜を通して人工衛星の追跡管制をおこなっています。
宇宙航空研究開発機構の追跡管制網は次のとおりです。
沖縄宇宙通信所
1968年「沖縄電波追跡所」として発足しました。直径30mと18mのパラボラアンテナ2基を備えています。
増田宇宙通信所(種子島)
人工衛星の追跡管制設備とは別に、ロケットの飛行状態を監視するための設備が設置されています。
勝浦宇宙通信所(千葉)
1968年「勝浦電波追跡所」として発足しました。直径18m(2基)と13mのパラボラアンテナ合計3基を備えています。
キルナ可搬型追跡管制局(スウェーデン)
スウェーデン北部、北極圏の都市「キルナ」に設置され、極地方を通過する地球観測衛星の追跡管制をおこないます。設備はほかの宇宙通信所とほぼ同じですが、必要に応じて移設できるように設計されています。
臼田宇宙空間観測所(長野)
探査機からの観測データを受信するために直径64mの大型パラボラアンテナが設置されています。
小笠原追跡所(東京)
ロケットの追尾等を行うロケットテレメータアンテナ、精測レーダアンテナが設置されています。
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