酸化ヨウ素(V)とは? わかりやすく解説

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酸化ヨウ素(V)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/05 03:40 UTC 版)

酸化ヨウ素(V)
Iodine pentoxide
識別情報
CAS登録番号 12029-98-0 
PubChem 159402
ChemSpider 140179 
ChEBI
特性
化学式 I2O5
モル質量 333.81 g/mol
外観 吸湿性のある、白色の結晶性固体[2]
密度 4.980 g/cm3[2]
融点

300 °Cで分解[3]

への溶解度 187.4g/100g(13℃)[1]
溶解度 硝酸に可溶
エタノールエーテルクロロホルム二硫化炭素に不溶[1]
危険性
主な危険性 酸化性
NFPA 704
1
3
0
OX
引火点 (不燃性)
関連する物質
その他の陰イオン 五フッ化ヨウ素
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酸化ヨウ素(V)(さんかヨウそ、: Iodine pentoxide)はヨウ素酸無水物で、化学式I2O5で表される無機化合物。無水ヨウ素酸、五酸化二ヨウ素とも呼ばれる。

製法

乾燥した空気中で、ヨウ素酸を200℃に熱して脱水することにより得られる[2]

構造

ヨウ素-酸素-ヨウ素の角度は139.2°であるが、分子は鏡面ではないため分子対称性はC2v対称ではない。ヨウ素原子から終端の酸素原子までの間は1.80Åで、二つのヨウ素原子をつなぐ酸素原子までの間は1.95Åである[4]

反応

強い酸化性を持ち、室温で一酸化炭素二酸化炭素に容易に酸化させる。

この反応により、気体試料中の一酸化炭素濃度を測定することができる。

酸化ヨウ素(V)は、三酸化硫黄やビス(フルオロスルフリル)ペルオキシドと、ヨージル塩 を形成する。硫酸とはヨードシル塩を形成する。

通常の条件では安定している。275℃以上で酸素とヨウ素とに分解が始まり、生成したヨウ素により褐色に変色する。日光により同様に分解する。

塩化水素との反応で、三塩化ヨウ素を生じる。硫化水素とは激しく反応し、ヨウ素、ヨウ化水素硫黄、水を生じる[1]

安全性

日本の消防法では、危険物第一類に分類される。

関連項目

脚注

  1. ^ a b c d 製品安全データシート” (PDF). キシダ化学 (2011年7月25日). 2012年5月6日閲覧。
  2. ^ a b c グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン英語版. pp. 851–852. ISBN 978-0-08-037941-8
  3. ^ Patnaik, P. (2002). Handbook of Inorganic Chemicals. McGraw-Hill. ISBN 0070494398 
  4. ^ Selte, K.; Kjekshus, A. (1970). “Iodine Oxides: Part III. The Crystal Structure of I2O5 (pdf). Acta Chemica Scandinavica 24 (6): 1912–1924. doi:10.3891/acta.chem.scand.24-1912. http://actachemscand.org/pdf/acta_vol_24_p1912-1924.pdf. 



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