GPUによるオフラインレンダリングの登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 15:54 UTC 版)
「3DCGソフトウェアの歴史」の記事における「GPUによるオフラインレンダリングの登場」の解説
GPUが進化したことにより、GPUでのオフラインレンダリングが可能となった。当初、REYESスキャンラインレンダラーのGPU対応が試みられた。2004年、NVIDIAはBMRTの後継として、GPU対応のREYESスキャンラインレンダラーであるGelatoをリリースしたものの普及に失敗し、2008年にGelato Proを無料化して開発終了した。 その後、GPU対応のパストレーシングレンダラーが普及していった。2009年、NVIDIAはGPUレイトレースエンジンのOptiXをリリースしたほか、GPUレンダリングテクノロジとしてirayをリリースした。 2010年、LuxRender開発者のDavid Bucciarelliは、GPUレンダリング実装テストとして、SmallLuxGPUをリリースした。同年、Refractive SoftwareはOctane Render(英語版)のベータ版をリリースした。同年12月、Chaos Groupは、V-Ray RT GPU搭載のV-Ray 2.0をリリースした。2011年、LuxRenderは、バージョン0.8でSmallLuxGPUの成果を取り入れた。同年、Blender Foundationは、GPUレンダリング対応のCyclesを搭載するBlender 2.61をリリースした。 2011年10月、OTOYはAutodeskとクラウドレンダラー開発の契約を結び、2012年3月、Octane Renderの開発元であるRefractive Softwareを買収した。同年11月、OTOYはOctane Renderの正式版をリリースした。 IntelはGPUへの対抗として演算ボードXeon Phiをリリースし、2013年、Xeon Phiに対応するCPUレイトレーシングライブラリEmbree 2.0をリリースした。その後、Embreeは様々なレンダリングソフトウェアに採用されていった。 その後もGPUによるパストレースレンダラーの登場が続き、2013年にRedshift Rendering Inc (後のRedshift Rendering Technologies) はRedshiftを、2014年にcebasはmoskitoRenderを、2015年にArt And Animation StudioはFurryBall RTをリリースした。 2015年、元OTOY従業員Andrey KozlovがPinkSoftを立ち上げ、新たなGPUレンダラーFStormRenderの開発を開始した。FStormRenderは建築可視化において大きな注目を集めたものの、2016年、OTOYはAndrey Kozlovに対しOctaneのコードが流用されていると主張して訴訟を起こした。 2017年、PixarはRenderManのGPU対応版であるRenderMan XPUの開発を発表した。同年、cebasはmoskitoRenderをfinalRender R4に統合し、2018年、Art And Animation StudioはFurryBall RTを開発中止にした。
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