G1000とは? わかりやすく解説

Garmin G1000

(G1000 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/22 13:49 UTC 版)

Diamond DA42のコックピットに搭載されたG1000

Garmin G1000(ガーミン ジー1000)は、スイスガーミンによって開発された、航空機用のグラスコックピットシステム。型番は「010-G1000-00」。

概要

Garmin G1000には、2つの大きなディスプレイが搭載され、片方はプライマリ・フライト・ディスプレイ(PFD)、もう片方はその他の情報を表示する多機能ディスプレイとなる。2つのディスプレイの間には、無線装置パネルが組み込まれている。 プライベートビジネスジェットなどには、さらに以下の追加のユニットが装備される。

  • 3つめのPFDディスプレイユニット。
  • 英数字入力に対応したキーボード
  • 統合されたフライトディレクター、オートパイロット

ちなみにPFDとMFDの両方にはSDメモリーカード専用スロットがあり、Jeppesen英語版の航空ナビデータを28日毎に更新するために使用できる。航空ナビデータはIFR飛行において重要な役割を果たすため、常にデータを最新に更新する事が求められる。

プライマリフライトディスプレイ(PFD)

G1000のPFD

PFDには、姿勢指示器対気速度計高度計飛行方位計など基本的な飛行計器がディスプレイ上に表示される。また設定で左下にミニマップを表示することもできる。PFDボタンを押せば、トランスポンダにスコークコードを設定したり、フライトプランの入力及びアクティベートが可能。またMFD側に故障が起きた場合、PFD側に情報を表示する復帰モードもある。

マルチファンクションディスプレイ(MFD)

MFDには、デフォルトでは右側にマップ、左側にエンジン系統のステータスが表示される。あらゆる表示機能は、右下にあるツマミを回してアクセスする事ができる。

装備

  • GDUディスプレイ
  • GMAオーディオパネル
  • GMC / GCUリモートコントローラー
  • GIA統合アビオニクスユニット
  • GDC大気データコンピュータ
  • GRS態度および方位参照システム(AHRS)
  • GMU磁力計
  • GTXトランスポンダ
  • GEAエンジン/機体ユニット
  • GSDデータアグリゲーター
  • バックアップシステム

トレーニング

従来のクラシックコックピットから現代的なグラスコックピットシステムに移行するためには、パイロットがシステムに慣れるための訓練が必要となる。G1000システムを採用した航空機を所有している大半の航空会社は、定められたトレーニングプログラム(FAA Industry Training Standards英語版)が用意されている。ただしこれからパイロットを目指す初級ビギナーには適さないとされている。

また他にもG1000シミュレーターソフトもあり、一部のフライトスクールではG1000飛行訓練装置を備えた学校もある。

G1000の取扱説明書は、ガーミンの公式サイトからPDF形式で無料でダウンロードできる[1]

脚注

  1. ^ Garmin – Manuals”. Garmin.com. 2020年7月16日閲覧。

外部リンク


G1000

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 15:36 UTC 版)

ガーミン」の記事における「G1000」の解説

詳細は「Garmin G1000」を参照 G1000はガーミン初の航空機搭載型統合アビオニクスで、同社アビオニクス事業大きく躍進させたモデルとして知られるグラスコックピット採用され飛行計器オートパイロット航法通信気象レーダー機体システム等の表示操作が可能である。例えば、それまでジェネラル・アビエーションでは無数の計器インストルメントパネル配置されているものが主流であったが、G1000では、1つディスプレイ(PFD)に計器情報集約されたことなどによりパイロット操縦負荷劇的に改善された。G1000は、1999年HondaJet設計開発者の藤野道格氏とGarmin共同創業者のゲリー・バレル氏が将来航空アビオニクスの姿の議論意気投合してその開発共同始まりHondaJet初めてG1000を採用したビジネスジェット機になったことが知られている 。G1000はコックピット機器電子化革新もたらし先進アビオニクスセスナパイパービーチクラフト等の単発ピストンエンジン機から小型ビジネスジェット機を含むジェネラル・アビエーション界に普及するきっかけとなった。 G900XはG1000と似てはいるが、実験航空機のために設計された。この他既存小型航空機標準装備計器換装してグラスコックピット化を行う事を目的としたG600といった製品もある。 ガーミン2003年の航空市場において、UPSエビエーションテクノロジーズ (UPS Aviation Technologies) の買収通じてその存在拡大させた。それにより既にUPS買収していたIIモロー (II Morrow) の航空機向けGPS/ナビゲーション/コミュニケーションユニットであるApolloシリーズ商品ライン追加することにより既存航空製品ライン補ったIIモロー1982年オレゴン州セイラム本拠として航海LORAN Cおよび総合航空機メーカーとして設立された。1986年ユナイテッド・パーセル・サービス (UPS)宅配業務と荷物追跡業務のためのエレクトロニクス技術の展開のため買収し1999年には社名UPSエビエーションテクノロジーズへと変更したその後海洋事業から段階的に撤退すると共に総合航空事業重点的に取り組むようになった

※この「G1000」の解説は、「ガーミン」の解説の一部です。
「G1000」を含む「ガーミン」の記事については、「ガーミン」の概要を参照ください。

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