G0期の多様性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 15:40 UTC 版)
G0期には3つの状態が存在し、可逆的な状態(静止状態)と不可逆的な状態(老化状態と分化状態)のいずれかに分類される。これら3つの状態への移行は、細胞がG1期に細胞周期の次の周回への従事を決定する前に行われる。静止状態(quiescence)は可逆的なG0期の状態を指す。細胞集団の一部は、外部シグナルに応答して活性化されて細胞周期へ入る前は静止状態にある。静止状態の細胞は多くの場合、低いRNA含量、細胞増殖マーカーの欠如や、ラベリングの長期間の維持(細胞のターンオーバーが低いことを意味する)によって特徴づけられる。老化(senescence)は静止状態とは異なる状態であり、子孫が生存不可能となるようなDNAの損傷や分解に応答して細胞はこの状態へ移行する。このようなDNA損傷は、多数回の細胞分裂によるテロメアの短縮や、活性酸素種への暴露、がん遺伝子の活性化、細胞融合などによって生じることがある。老化細胞は増殖を行わないが、正常な細胞機能の多くを維持している。老化は多くの場合、損傷細胞のアポトーシスによる自己破壊の代替となる。最後に、分化細胞は細胞分化のプログラムを経て成熟し、最終的な分化状態に達した細胞である。分化細胞はG0期にとどまり続け、その主要な機能を発揮し続ける。
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