Full BASIC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 02:50 UTC 版)
ダートマスBASICは、他のBASIC(ケメニーらは「ストリート」BASIC、と呼んだ)とは異なって既に1970年代後半から構造化などが進んでおり、ANSIでは新しい規格の策定も進んでいたが、これをパソコン向けにアレンジしたTrue BASICが、1984年に開発された(日本ではクレオから発売)。構造化の他、行列演算の機能など、学術的(特に数学的)な方面の拡張も特徴である。そしてTrue BASICとほぼ同一の構造化BASICであるFull BASICがISO/IEC 10279 (Information technology−Programming languages −Full BASIC)が1991年に INCITS/ISO/IEC JTC 1によって、JIS は JIS X 3003-1993『電子計算機プログラム言語 Full BASIC , The Programming Language Full BASIC』 が1993年に規格化された。 Full BASICの主な特徴 構造化に対応する制御文を追加した(DO〜LOOP、DO WHILE〜LOOP WHILEなど) IF文が多行に渡るブロックIF(IF〜THEN〜ELSE〜ENDIF)も可能となった LETを省略できないようにした(True BASICではOPTION NOLETまたはNOLETを実行すると省略可能) スコープの概念を取り入れた外部副プログラム(EXTERNAL SUB〜END SUB)や外部関数(EXTERNAL FUNCTION〜END FUNCTION)の中でローカル変数が使用できるようになった 副プログラムと関数は戻り値を戻すかどうかで区別される 再帰処理の実装が容易になった 計算精度や丸めの方法を規定した 配列の添字を1から始めるようにした(OPTION BASE命令で0から始まるようにすることも可能) 行列演算機能 構文のアドホックな所などを極力排除した 予約語を極力少なくした I/Oを直接操作するなどシステムに干渉する命令は持たないようにした(True BASICでは拡張ライブラリとして提供) グラフィック命令を規定した。なお、(0, 0) が、デフォルトでは、コンピュータ系に多い左上ではなく数学などで伝統的な左下である(変更できる。高機能なBASICに多かった、任意にスクリーンとウインドウのそれぞれの座標を設定できるタイプである) Minimal BASICの上位互換である パソコン向けのそれまでのBASICとは命令の互換性が低いサブルーチン(GOSUB〜RETURN)は規格として残ってはいるが、使用は推奨されない
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