「基本BASIC」という標準化、およびその失敗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 02:50 UTC 版)
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BASICの標準化が望まれたが、マイコン・パソコンの急激な普及で標準化は後手後手にまわり、各メーカーの独自拡張はすでに各機種のROMに書き込まれているわけで後から書き換えるわけにもいかず、各メーカーは競合関係にあり自社のものを標準に採用して他社のものは排除してくれと考えるわけで、後手にまわってしまった標準化団体も一部のメーカーだけを優遇するわけにもいかず、ともかく後手にまわってしまった標準化というのは非常に難しいので、結局、「どの機種のBASICでも、共通で使われている、ごく基本的な機能」に絞った小規模の仕様だけが「標準」として制定されるにとどまった。ANSI X3.60-1978「American National Standard for the Programming Language Minimal BASIC」は、日本では JIS C 6207-1982「電子計算機プログラム言語 基本BASIC」として規格化された。制定直後にJISの分類の再編があり、電気電子のCから情報のXに移動してJIS X 3003となったが、次節のFull BASICのJIS化の際に改訂として同じ番号を使うという形で旧規格として消滅した。 すでに多数の重要な機能は、各機種のBASICの「方言」として実装されてしまっていて後からそれを削るわけにもいかず、基本以外の高度な部分の標準化はされず乱立状態は放置されたので、結局、各社は高度な機能は方言で実装しつづけたわけで、実際上はBASICの標準化は失敗したままに終わった。 日本では1990年代後半から、高等学校や大学入試センター試験の数学に、標準化された基本BASICの範囲で書かれたプログラミングが扱われるようになった。つまり、「基本BASIC」は実機では「有名無実」だが、(特定メーカーに依らないので)試験問題に使うのに無難な題材として使われる。
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