ファストトラック
目的を迅速に達成するために、審査等を優先的に実施する、または、各種の手続きを簡素化する制度。原義は優先、急行、出世、追い越し車線、といった意味の英語。
最近では、特に医療の分野について、画期的な医薬品を他の新薬よりも優先して審査する制度を指すことが多い。米国食品医薬品局(FDA)が指定するものであり、遺伝子治療薬「コテラジェン」や胃ガンの治療薬「テセタキセル」などがファストトラックに指定されている。
また、米国大統領が外国政府と合意した協定について、米国議会は修正をせず採否のみを決定できるという外交権限もファストトラックと呼ばれる。この制度では、大統領が交渉した内容がそのまま承認されることで、大統領と相手国との信頼関係構築に有利とされる。「大統領貿易促進権限」(Trade Promotion Authority)とも呼ばれる。
ファースト‐トラック【fast track】
ファストトラック(ふぁすととらっく)(fast track)
対外的な通商交渉をすべて大統領に任せ、議会は通商協定の批准について修正審議をすることなしに賛否だけを決めるというアメリカの政治制度。ブッシュ政権で復活した。
新ラウンド(多角的貿易交渉)や自由貿易協定(FTA)の締結交渉などのさい、ファストトラックの権限を与えられた大統領は、強力なリーダーシップで交渉を進めることができる。議会は協定内容の修正ができなくなるため、大統領は対外交渉を円滑に進めることが可能となるわけだ。
ファストトラックの権限は、通商法の定めによって、1974年に当時のフォード大統領が初めて手にした。それ以降、歴代の大統領には認められてきたが、1994年に失効してしまい、議会の反対でクリントン政権からは認められていなかった。
(2002.08.08更新)
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