Duke of Swabiaとは? わかりやすく解説

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シュヴァーベン大公

(Duke of Swabia から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 14:42 UTC 版)

シュヴァーベン大公(シュヴァーベンたいこう)は、神聖ローマ帝国部族大公ドイツ南西部からスイスにかけてのシュヴァーベン公国を支配した。領域についてはシュヴァーベンを参照。

歴史

シュヴァーベン大公は917年頃、在地貴族のブルヒャルト2世が前シュヴァーベン宮中伯エルハンガーの処刑後にシュヴァーベンの支配権を得たのが始まりである[1]。ドイツでは911年カロリング朝の断絶を受けて、まずフランケンコンラート1世が東フランク王(ドイツ王)に選出されたものの、本拠であるフランケン以外の地域には権力を及ぼすことが出来なかった。そこで919年にコンラート1世の跡を継いだハインリヒ1世(捕鳥王)は在地貴族のブルヒャルト2世を大公とし[2]、その権力を追認する代わりに自身の王位への支持を取り付けた[3]926年にブルヒャルト2世が死去すると、ブルヒャルト2世に男子相続人がいたにもかかわらず、ハインリヒ1世はこの地とは無縁のコンラディン家ヘルマン1世を大公とし、この地の支配権獲得を狙った[3]

949年にヘルマン1世が死去すると、シュヴァーベン大公はヘルマン1世の婿でもあったオットー大帝の息子リウドルフに受け継がれた[4]982年にリウドルフの息子オットー1世が死去するとコンラディン家コンラート1世が跡を継ぎ[5]、以降1012年までコンラディン家が大公位を独占した。

1077年ハインリヒ4世教皇グレゴリウス7世によって破門される(カノッサの屈辱)と、ラインフェルデン家のシュヴァーベン大公ルドルフは皇帝に反旗を翻し、ローマ王(ドイツ王)を称した(対立王)[6]1080年にルドルフが死去するとその息子のベルトルト1世シュタウフェン家で親ハインリヒ4世派のフリードリヒ1世が大公位を争った。

1090年にベルトルト1世が死んでラインフェルデン家が断絶すると、ツェーリンゲン家出身で義弟のベルトルト2世がその所領を受け継いでシュヴァーベン大公を称し、シュタウフェン家と争った。両派の和解が成立するのは1098年のマインツの和で、これによってシュタウフェン家が正統なシュヴァーベン大公となり、ツェーリンゲン家は大公権力の一部と大公位を保持した(ツェーリンゲン大公)[7][8]

1127年にシュタウフェン家のコンラート3世がローマ王となってホーエンシュタウフェン朝を創始すると、シュヴァーベン大公位はホーエンシュタウフェン朝のイタリア政策の要として、王朝内で継承された。1268年にホーエンシュタウフェン朝が断絶するとシュヴァーベン大公も消滅した。

シュヴァーベン大公の所領の多くは大空位時代ヴュルテンベルク伯に回収された。なお、ツェーリンゲン大公の所領はキーブルク伯家を通じてハプスブルク家に受け継がれたが、後にスイスに奪われた[9][10]

歴代領主一覧

シュヴァーベン大公

コンラディン家

バーベンベルク家

ザリエル朝

エッツォ家

バーベンベルク家(シュヴァインフルト家)

ラインフェルデン家

ツェーリンゲン家

ホーエンシュタウフェン朝

ヴェルフ家

ホーエンシュタウフェン朝

ハプスブルク家

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 瀬原(2012)、p. 64 - 65
  2. ^ 成瀬 他、p. 114
  3. ^ a b 瀬原(2012)、p. 66
  4. ^ 瀬原(2012)、p. 79
  5. ^ 瀬原(2012)、p. 101
  6. ^ 瀬原(2012)、p. 322
  7. ^ 瀬原(2012)、p. 331
  8. ^ 森田、p. 26-27
  9. ^ 瀬原(2009)、p. 71、110、127
  10. ^ 森田、p. 31

参考文献

  • 瀬原義生 『ドイツ中世前期の歴史像』 文理閣、2012年
  • 成瀬治 他 『世界歴史大系 ドイツ史1』 山川出版社、1997年
  • 瀬原義生 『スイス独立史研究』 ミネルヴァ書房、2009年
  • 森田安一 編 『新版 世界各国史 14 スイス・ベネルクス史』 山川出版社、1998年

関連項目


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