CMYKとRGBの違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 03:43 UTC 版)
デジタルカメラなどで撮影された画像、あるいはテレビやパソコンのディスプレイ上に表現される色は、ライトの発光を利用して色を表現(加法混合)するRGB形式であるが、印刷物ではインク(色素)による光の吸収を利用して色を表現(減法混合)している。このように、画面と紙とでは発色の原理が全く異なる為、RGB形式の画像を印刷する場合は、RGB形式からCMYK形式への変換作業が必要となる。 原理的には(C=1-R),(M=1-G),(Y=1-B)でRGB値からCMY値が得られる。さらにK=min(C,M,Y)を求め、(C'=C-K)(M'=M-K),(Y'=Y-K)で、CMYK値を得る。しかし、この計算で得られた濃度を印刷に適用すると、一般的なRGB色空間とCMYK色空間のγ特性が全く正反対である事が考慮されていないこと、RGBとCMYKそれぞれの補色の波長が一致していない事などから、印刷結果は全く期待通りとならない(インクジェットシステムで紙に印刷すると、紙に乗り切れなかったインクがプリンターの底に溜まる程である)。この為、それぞれの色空間をカラーマネージメントシステムで補正する必要がある。通常の画面表示用カラーマネージメントシステムでは、実解像度をリアルタイムで処理すれば良いので精密に再現されるが、プリンターの場合にはきわめて高い解像度と非常に少ないインク液粒(ピコリットル単位)やトナー(ナノグラム単位)を制御しなければならない事から莫大な量の演算が必要になるため、事前に発色特性をサンプリングして作った多次元ベジェ曲線等によって、特性をシミュレートする事で演算を軽減するなどして、印刷の速度を向上させている。完全な再現は基本的には不可能である事から、あらかじめ印刷対象がどのような物であるか(代表的なプリセット値として自然風景・人物写真・ビジネス文書などが候補として用意されている)をユーザーが手動で指示したり、あるいはプリンタドライバソフトウェアが画像解析によって印刷対象を予測するといった、高度なシステムが実装されている。
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