光の吸収
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 02:54 UTC 版)
クロロフィルは、構造中のテトラピロール環に由来する強い色を持ち、多くはその名の通り緑色に見える。テトラピロールは450 nm付近700 nm付近に特徴的な鋭い吸収帯を持ち、それぞれ B帯(またはソーレー帯)、Q帯と呼ばれる。吸収波長域はテトラピロール環の種類によって大まかに決定されるが、置換基や結合タンパク質、溶媒の種類など、環境によってシフトする。 酸素発生型光合成系において反応中心色素として用いられるクロロフィルaは、NADPH合成に関与する光化学系I複合体では700 nmの波長の光を吸光し、水の光分解に関与する光化学系II複合体では680 nmの波長の光を吸光する。シアノバクテリアを除く光合成バクテリアでは反応中心色素としてバクテリオクロロフィルa もしくはバクテリオクロロフィルb が用いられているが、光化学複合体としての吸収は種によって異なり750-850 nmである。 植物にはクロロフィルaとbを相互変換する酵素があり、外部環境に応じてaとbの比率を変化させ適応している可能性がある。
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光の吸収
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/10 07:36 UTC 版)
フェオフィチンは褐色に近い色合いとして見える。これは、マグネシウムが脱落し水素原子2つと置換したことに由来する。 いわゆるポルフィリン環に由来する光の吸収は、短波長側(Bバンド、ソーレー帯)と長波長側(Qバンド)に分けて解釈がされる。クロロフィルとそれに由来するフェオフィチンでは短波長側の吸収にはほとんど変化は無いが、長波長側の吸収に大きな変化を起こす。長波長側の吸収は、フェオフィチンでは4本程度の比較的弱い吸収極大が存在するが、クロロフィルでは1-2本に見える非常に強い吸収極大が存在する。フェオフィチンにおいて長波長側の吸収が、複数の弱いものになっているのは、中心に結合しているのが二つの水素原子であるため、吸収に関与できる状態が複数存在するためであると考えられている。クロロフィルにおいて長波長側の吸収の数が減り強くなっているのは、中心に金属イオンが配位することにより、中心付近の電子状態が制限され光吸収に関与できる状態が限定されるためであると考えられている。
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