ベールの法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/26 06:40 UTC 版)
上記のように発生過程の研究からは器官の相同性に関わる重要な示唆が与えられた。成体に見られる器官がその群によって異なった形をしている場合も、発生の初期には似通った形であることは、相同性を認める重要な裏付けとなった。しかし、発生の早い段階には成体には存在しない器官が姿を見せることもある。すでにウォルフはほ乳類において前腎を発見していた。さらにラトケは1825年に鳥類とほ乳類において鰓裂と鰓弓を発見した。このように、より下等な動物の構造がより高等な動物の発生初期に見られる、という例が集まってきた。 このことに気がついた人は多く、このラトケの発見以前にメッケル(Johann Friedrich Meckel 1761-1833)が「人間の発生段階はその始まりから完成に達するまで、諸動物の系列の各形態に相当する」と述べている。彼の説をより広く適合するように、修正、総合してまとめたのがベールの法則である。これは以下のように述べられている。 動物のより一般的な特徴は、より特殊化した特徴よりも発生の初期に現れる。 高等動物の発生のある時期の形は、より下等な動物の成体ではなく、その胚のある時期の形に似ている。
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