Adad-nirari IIとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Adad-nirari IIの意味・解説 

アダド・ニラリ2世

(Adad-nirari II から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/17 05:40 UTC 版)

アダド・ニラリ2世
在位 前911年-前891年

死去 前891年
子女 トゥクルティ・ニヌルタ2世
父親 アッシュル・ダン2世
テンプレートを表示

アダド・ニラリ2世Adad-nirari II、在位:前911年[1]-前891年)は、古代メソポタミア地方のアッシリアの王。一般的に、新アッシリア時代最初の王であると考えられている。西方でアラム人と戦い、ハブール川流域を確保したほか、南方のバビロニアを攻めてその領土を切り取るなどして、新帝国の土台を築いた。

来歴

アダド・ニラリ2世時代における古代オリエントの経済的復興

アダド・ニラリ2世はアッシュル・ダン2世の息子である。アダド・ニラリ2世は小規模な宮廷闘争の後に王位を継承した。王位継承がアッシリアの名目的な属国の反乱を誘発した可能性が高い。

彼は、それまでは名目的にアッシリアの下にあったに過ぎない諸地域を確保した。ハブール川ユーフラテス川の合流点で前910年に戦い、問題の種となっていた現地のアラム人を征服して追放した。北方で新ヒッタイトとフルリ人を平定した後、アダド・ニラリ2世はバビロニアシャマシュ・ムダミク英語版を2度攻撃し打ち破った。また同年中にディヤラ川北方の広大な領域と中部メソポタミアヒート英語版ザンク英語版を併合した。また治世の後半にはバビロニアナブー・シュマ・ウキン1世英語版時代)からさらに領土を獲得した。西方でも遠征を行い、アラム人の都市Kadmuhとヌサイビン英語版(ニシビス)を平定した。彼は膨大な量の戦利品を得るとともに、ハブール川流域も確保した[2]。彼の治世は古代オリエントの経済復興の時代にあたっており、フェニキアとアラムの交易路が拡大し、アナトリアとリビア人(第22王朝支配下のエジプト)、メソポタミア、地中海が結びつけられた。

アダド・ニラリ2世の息子トゥクルティ・ニヌルタ2世の治世になっても敵国との戦いは続いた[2]

アダド・ニラリ2世の治世から前7世紀半ばのアッシュルバニパルの治世までの完全なリンム表(一年任期で交代するリンム職の名前を記したリスト)が残されており、恐らく古代オリエント史において正確に編年を復元できる最初の年はアダド・ニラリ2世の治世第1年(前911年)である。ただし、『アッシリア王名表』は一般にアダド・ニラリ2世より数世紀前までの期間において相当正確であると考えられており、学者たちは前12世紀後半のアッシュル・レシュ・イシ1世の時代まで共通した編年体系を用いている。

関連項目

脚注

  1. ^ Bertman, Stephen (2005). Handbook to Life in Ancient Mesopotamia. New York: Oxford UP. p. 74 
    (『古代メソポタミアにおける生活の入門書』(著:ステファン・バートマン、オックスフォード大学出版、2005年)p.74)
  2. ^ a b Healy, Mark (1991). The Ancient Assyrians. New York: Osprey. p. 6 
    (『古代アッシリア人』(著:マーク・ヘンリー、オスプレイ出版(英語版の脚注では米国ニューヨークとしているが、英国オックスフォード?)、1991年)p.6)
先代
アッシュル・ダン2世
アッシリア王
前911-前891年
次代
トゥクルティ・ニヌルタ2世

「Adad-nirari II」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Adad-nirari II」の関連用語

Adad-nirari IIのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Adad-nirari IIのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアダド・ニラリ2世 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS