A2の事件
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「日本ボクシングコミッション事件」の記事における「A2の事件」の解説
東京地裁平成26年11月21日判決(判例秘書L06930789、LEX/DB 25505217、D1-Law.com 28231625、Westlaw Japan 2014WLJPCA11218010) 事件番号と事件名:平成24年(ワ)第23646号 地位確認等請求事件(本訴)/平成25年(ワ)第32538号 損害賠償請求反訴事件(反訴) 著名事件名:「日本ボクシングコミッション(地位確認等)事件」、「一般財団法人日本ボクシングコミッション(JBC)事件」 裁判長:松田敦子 A2は2008年4月1日、期間の定めのない正規職員としてJBCに雇用され、以後、JBC本部事務局に勤務し、主に経理の業務を担当していた。しかし、上述の通りJBCから解雇され、東京地裁に提訴したところ、解雇事由を追加しての新たな解雇の意思表示を受けたため、各解雇の無効等を主張して雇用契約上の地位確認ならびに解雇時以降の給与および賞与の各支払いを求めた。JBCはA2に対し、A2の職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務等違反により損害を被ったとして、損害賠償を求めて反訴した。解雇事由としてJBCが主張する事実はいずれも認められず、第一審判決はA2の解雇は客観的に合理的な理由なく行われたもので無効であるとして、本訴請求をほぼ認容し、反訴請求を棄却した。 労働判例ジャーナル(労働開発研究会)は判示事項として、(1) メールの送受信によりA2の職務遂行が現実に妨げられていたとまでは評価できず、解雇事由としてJBCが主張する事実はいずれも認めることができない、(2) 賞与の支給条件が明確な場合に当たらず、賞与請求権を有するものと認めることはできない、(3) 公益通報の事実は認められず、文部科学省への通報もJBCの社会的評価を低下させたとはいえないから、A2に債務不履行や不法行為の事実を認めることはできない、の3点を挙げている。 この事件では次のような平等原則違反が指摘されている。 「現実に被告[JBC]の事務所内の風紀秩序を乱したとの事情も認められないことに加え、[略]怪文書の送付後や平成23年5月31日および同年6月23日の記者会見前にB5ら職員が本来の業務をなおざりにして記者会見の準備等を行っていた[略]にもかかわらずB5らにつき職務懈怠等が問題にされた事実は認められないことなどの事情に照らせば、[略]直ちに解雇事由に相当する職務懈怠が存したと評価するのは相当でないというべきである。」
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