3頭のその後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 08:30 UTC 版)
このレースで4歳の無敗GI馬2頭に完勝したサイレンススズカは圧倒的本命馬として3週間後の第118回天皇賞(秋)に臨むも、4コーナー手前で突如左前脚手根骨粉砕骨折の重傷を負い、予後不良の診断が下され、安楽死処分となる悲劇に見舞われた。「2度と実現しない可能性が高い対決」というのはレース前から言われていたことであったが、同馬の死によりそれは現実のものとなってしまった。しかしその常識を超えたレース振りは、故障事故の衝撃と相まってファンの記憶に強烈に残り、今もなお日本競馬史上稀有の逃げ馬と言われている。 2着となったエルコンドルパサーは次走のジャパンカップを同期の日本ダービー馬スペシャルウィーク、年長の強豪牝馬エアグルーヴらを抑えて優勝。世代最強の座を確立した。翌年にはフランスに長期滞在しサンクルー大賞、フォワ賞にも勝利し、世界最高峰レース凱旋門賞でモンジューの2着に入るなど日本馬の海外遠征としては最上級の成績を収めた。 5着に敗れたグラスワンダーは次走のアルゼンチン共和国杯でも凡走し、「早熟」「限界」などとも囁かれたが、有馬記念で優勝し復活を果たした。翌年には宝塚記念・有馬記念で新たなライバルとして立ちはだかっていたスペシャルウィークを下してグランプリ3連覇を達成。しかしエルコンドルパサーが海外から帰国後そのまま引退したため、エルコンドルパサーとグラスワンダーの再戦の機会もこの毎日王冠以降2度となかった。 このように、いずれも競馬史上に残る名馬となった3頭が唯一相見えた一戦であったことから、このレースは史上最高のGIIと呼ばれ、伝説のレース・名勝負として今もなおファンの語り草となっている。
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