3度目の金星探査計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/15 09:03 UTC 版)
「PLANET計画」の記事における「3度目の金星探査計画」の解説
「あかつき (探査機)」も参照 1974年に行われたマリナー10号の探査によって脚光をあびたスーパーローテーション等、金星には地球とは異なる気象現象が多く存在する。これらの研究は何十年と続けられてきたにも関わらずほとんど解明されておらず、比較惑星学等の観点から、多くの研究者が金星気象の調査を望んでいた。しかし、当時の探査計画のほとんどは地表面の探査や可視光での撮像に留まっていたため、これらの現象の構造解明に至る詳細な調査結果はもたらされずにいた。しかし、1990年頃に赤外線を用いて金星の下層大気や地表面までの大気圏を大気圏外から透視できる可能性が示唆される。この新たな探査手法の登場を受けて、PLANET-Bの打ち上げを控えた1995年頃、再び金星探査計画の検討が始められた。この計画は、金星の気象を探査することのみを目的とした世界初の惑星気象探査機というものであった。 のべ3度目となる金星探査計画は、金星上層大気と磁気圏の探査というそれまでの計画とは違い、世界初の金星気象探査機という新たな形をとって2001年1月11日から2日間に渡って開かれた第1回宇宙科学シンポジウムにおいて発表された。2001年5月10日の宇宙理学委員会、及びその後の宇宙開発委員会で計画が承認され、2004年から試作モデルの製作に取りかかった。M-Vロケットに最適化された設計を想定していたが、2006年にM-Vロケットの廃止が決定され、それに伴って打ち上げロケットがH-IIAロケットへ変更された。 「あかつき」は2010年5月21日にH-IIAロケット17号機で打上げられた。
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