スーパーローテーション【superrotation】
スーパーローテーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 03:00 UTC 版)
金星大気の上層部には4日で金星を一周するような強い風が吹いている。この風は自転速度を超えて吹く風という意味でスーパーローテーションといわれる。風速は100m/sに達し、243日で一周する自転速度の60倍以上である。このことが実際に確かめられるまでは、昼の面で暖められた大気が上昇して夜の面に向かい、そこで冷却して下降するという単純な循環の様式が予想されていた。この現象は多くの人々の興味を引くこととなりさまざまな理論が提示され、金星最大の謎のひとつとされていたが、2020年に日本の金星探査機「あかつき」の観測データの分析より、この加速機構を担うのが「熱潮汐波」であることが明らかになった。 南北の両極付近で巨大な渦が観測されている。北極の渦は1978年にアメリカ航空宇宙局(NASA)の探査機「パイオニア・ヴィーナス」によって、南極の渦は2006年にヨーロッパ宇宙機関(ESA)の探査機「ビーナス・エクスプレス」によって発見された。ビーナス・エクスプレスは南極の渦の観測を続け、2011年までにその詳細な構造を明らかにした。
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