3度の「踊り場」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 02:44 UTC 版)
長く続く好景気の中では、踊り場が3度あった。 1度目の「踊り場」は、2002年12月、内閣府が月例経済報告を月例経済報告関係閣僚会議に報告した際、景気の基調判断を「踊り場的な状態」と下方修正した。以後、2003年9月までが最初の「踊り場」である。主な原因としては、イラク戦争によるイラク国内の情勢悪化の影響で輸出が鈍化した上に、新型肺炎(SARS)も追い打ちをかけたことが挙げられる。しかし、イラク戦争の終結などで輸出が回復し、企業部門が持ち直したため、この踊り場をくぐり抜けることができた。 2度目の「踊り場」は、2004年12月(11月に引き続き2か月連続の下方修正)~2005年8月。アテネオリンピック前に薄型テレビが売れた反動もあり、世界的な在庫調整が起きたことによるものだったが、今回も調整一巡後に脱却した。 そして2008年3月19日、当月の月例経済報告で大田弘子経済財政担当大臣が、生産などの陰りが要因で現在の経済状態が3度目の「踊り場」を迎えていると説明した(2月に引き続き2か月連続の下方修正)。今回の踊り場では、主要な輸出先であるアメリカがサブプライム住宅ローン問題の深刻化で国内経済が減速していること、一向に歯止めのかからない原油価格の高騰や、2008年に実施された鉄鋼の約65%の大幅値上げ、1995年11月以来12年7か月ぶりに1ドル=100円突破を記録する急激な円高、建基法不況による2007年度以降続く建設・不動産やその関連会社の倒産件数の増加など、不安材料を抱えていることが背景とされている。そのため、今回の景気拡張局面では賃金の伸びが鈍く、家計部門での波及が乏しく、内需に火がついていないだけに、外的要因に左右されやすい。
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