1994年実施の学習指導要領
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「高等学校必履修科目未履修問題」の記事における「1994年実施の学習指導要領」の解説
1994年(平成6年)度以降入学生実施の学習指導要領では、高等学校における社会科は、地歴科と公民科に再編された。その結果、地歴科で世界史が必履修、他に1科目(日本史または地理)が必履修となった。また公民科では、現代社会1科目、または倫理と政治経済の2科目が必履修となった(詳細は学習指導要領#学習指導要領の変遷を参照)。 同時に、新学力観にあわせた新カリキュラム(以下新カリ)と呼ばれる、生徒の興味関心に合わせ、選択科目を充実させることを目的としたカリキュラムが編成された。しかし、学校5日制実施までは週32単位時間配当であったカリキュラムが、実施後は週29単位時間と3単位時間削減が必要となったにも関わらず、地歴・公民科、理科、家庭科などで必履修科目が増え、著しくカリキュラムは窮屈になった。またこの改定で、学校裁量時間という、学習指導要領によらない科目の設置も認められたため、特色ある学校づくりを行う学校では、全く新しい科目の新設も可能となった。 (注)高等学校(通信制を除く)では、50分の授業を1単位時間として、35単位時間の授業を行って1単位と計算する。2単位ならば70単位時間、4単位ならば140単位時間の指導が必要である。また多くの学校で修得に必要な出席率は8割としている。7割での単位認定は学校長の裁量による、特殊事情を考慮した認定であることが多い。 そのため、進学校以外では、この改定から導入されたA科目(2単位)・B科目(4単位)と分けられた地歴科目のうち、A科目を進んでカリキュラムに導入することが多くなった(あるいはB科目を3単位に減単して行う)。 しかし大学入試では、2単位のA科目が受験科目に指定されていない場合が多いために、進学校では4単位のB科目を選択せざるを得ないこととなった。また、逆にA科目を申請しながらもB科目の内容を行うところもある。例:日本史Aと時間割に記載されているが、実際は教科書も内容も日本史Bを行なう。 (注)こうした新カリにそぐわない保守的なカリキュラムは、教育委員会から「学習指導要領の精神を理解していない」として指導の対象になるケースがあり、なかば強引にでもカリキュラムに必履修の教科や科目同士を導入せざるをえない学校も存在した。
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