1990年イギリスグランプリとは? わかりやすく解説

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1990年イギリスグランプリ

(1990 British Grand Prix から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 09:37 UTC 版)

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 1990年イギリスグランプリ
レース詳細
日程 1990年シーズン第8戦
決勝開催日 7月15日
開催地 シルバーストン・サーキット
イギリス シルバーストーン
コース長 5.226km
レース距離 64周(305.904km)
決勝日天候 晴れ(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'07.428
ファステストラップ
ドライバー ナイジェル・マンセル
タイム 1'11.291(Lap 51)
決勝順位
優勝
2位
3位

1990年イギリスグランプリ (: 1990 British Grand Prix) は、1990年F1世界選手権の第8戦として、1990年7月15日シルバーストン・サーキットで決勝レースが開催された。

概要

リカルド・パトレーゼがF1通算200戦に到達。デビューレースはシャドウから出場した1977年モナコGP。14年かけての大記録達成となった。

開幕以来予備予選落ちを続けてきたコローニは、このレースを最後に富士重工業スバル)との関係を解消。スバル製水平対向12気筒エンジンは一度も決勝を走ることなくF1から姿を消した。

予選

フェラーリナイジェル・マンセルがひとりだけ1分7秒台をマークし、フランスGPに続いて2戦連続ポールポジションを獲得。マンセルはそれまで(ヨーロッパGPも含め)母国開催のグランプリで3勝していたが、PP獲得は今回が初めて。

予備予選を1・2位で通過したラルースは本予選でも好調で、ベネトンを押しのけ、エリック・ベルナール鈴木亜久里が10番グリッド以内につけた。

予備予選結果

順位 No ドライバー コンストラクター タイム
1 29 エリック・ベルナール ローラランボルギーニ 1'10.254
2 30 鈴木亜久里 ローラランボルギーニ 1'11.128 +0.874
3 17 ガブリエル・タルキーニ AGSフォード 1'11.516 +1.262
4 14 オリビエ・グルイヤール オゼッラフォード 1'11.953 +1.699
DNPQ 33 ロベルト・モレノ ユーロブルンジャッド 1'12.554 +2.300
DNPQ 18 ヤニック・ダルマス AGSフォード 1'12.653 +2.399
DNPQ 34 クラウディオ・ランジェス ユーロブルンジャッド 1'15.059 +4.805
DNPQ 31 ベルトラン・ガショー コローニスバル 1'19.230 +8.976
DNPQ 39 ブルーノ・ジャコメリ ライフ 1'25.947 +15.693

予選結果

順位 No ドライバー コンストラクター タイム
1 2 ナイジェル・マンセル フェラーリ 1'07.428
2 27 アイルトン・セナ マクラーレンホンダ 1'08.071 +0.643
3 28 ゲルハルト・ベルガー マクラーレンホンダ 1'08.246 +0.818
4 5 ティエリー・ブーツェン ウィリアムズルノー 1'08.291 +0.863
5 1 アラン・プロスト フェラーリ 1'08.336 +0.908
6 4 ジャン・アレジ ティレルフォード 1'08.370 +0.942
7 6 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズルノー 1'08.677 +1.249
8 29 エリック・ベルナール ローラランボルギーニ 1'09.003 +1.575
9 30 鈴木亜久里 ローラランボルギーニ 1'09.243 +1.815
10 16 イヴァン・カペリ レイトンハウスジャッド 1'09.308 +1.880
11 20 ネルソン・ピケ ベネトンフォード 1'09.407 +1.979
12 3 中嶋悟 ティレルフォード 1'09.608 +2.180
13 19 アレッサンドロ・ナニーニ ベネトンフォード 1'09.641 +2.213
14 12 マーティン・ドネリー ロータスランボルギーニ 1'09.741 +2.313
15 15 マウリシオ・グージェルミン レイトンハウスジャッド 1'10.044 +2.616
16 11 デレック・ワーウィック ロータスランボルギーニ 1'10.092 +2.664
17 10 アレックス・カフィ アロウズフォード 1'10'110 +2.682
18 23 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディフォード 1'10.303 +2.875
19 21 エマニュエル・ピロ ダラーラフォード 1'10.847 +3.419
20 8 ステファノ・モデナ ブラバムジャッド 1'11.070 +3.642
21 25 ニコラ・ラリーニ リジェフォード 1'11.180 +3.752
22 26 フィリップ・アリオー リジェフォード 1'11.215 +3.787
23 22 アンドレア・デ・チェザリス ダラーラフォード 1'11.234 +3.806
24 24 パオロ・バリッラ ミナルディフォード 1'11.387 +3.959
25 9 ミケーレ・アルボレート アロウズフォード 1'11.562 +4.134
26 17 ガブリエル・タルキーニ AGSフォード 1'11.681 +4.253
DNQ 14 オリビエ・グルイヤール オゼッラフォード 1'11.710 +4.282
DNQ 7 デビッド・ブラバム ブラバムジャッド 1'11.741 +4.313
DNQ 36 J.J.レート オニクスフォード 1'12.631 +5.203
DNQ 35 グレガー・フォイテク オニクスフォード 1'13.271 +5.843
出典[1]

決勝

フォーメーションラップ開始時に2台が動き出せず、ピケは最後尾スタートにまわったが、グージェルミンはそのままリタイアとなった。

フェラーリ・641/2をドライブするマンセル

スタートは2番グリッドのセナの出足が鋭く、PPのマンセルをかわしてトップに立つ。序盤はセナ、マンセル、ベルガーの3台が先行し、やや遅れてブーツェンとプロストが続く。11周目、最終シケイン「ルフィールド」でマンセルがセナをかわしてトップに浮上。抜かれたセナは13周目の1コーナー「コプス」で高速スピン。痛めたタイヤを交換するためピットインし、10位に後退した。15周目、プロストがブーツェンをかわして3位。フランスGP2位のカペリが後方から追い上げ、さらにピケが最後尾から急ピッチで挽回してきた。

首位のマンセルはセミATギアボックスの不調で速度が鈍り、22周目にベルガーに抜かれて2位に後退。しかし、トラブルが回復すると、28周目にベルガーを抜き返した。レース中盤、ペースを上げてきたプロストが31周目にベルガーをかわし、43周目にはチームメイトのマンセルもハンガーストレートでかわしてトップに出た。好調カペリはブーツェンに続けてベルガーもオーバーテイクして3位に上昇したが、燃料ポンプの問題で49周目にリタイアした。2位マンセルはギアボックストラブルが再発し、56周目にコースサイドでマシンを止めると、落胆する観客席に向けてグローブを投げ込んだ。これで2位に戻ったベルガーも、残り4周でマシンがストップした。

プロストは独走でトップチェッカーを受け、メキシコ・フランスに続いて破竹の3連勝を達成。1990年シーズンの折り返し地点で、セナを抜いてポイントランキング首位に立った。3位表彰台のセナはマクラーレン・MP4/5Bの不安定なハンドリングに不満を募らせた。

ラルースは4位ベルナール、6位鈴木がダブル入賞し、シーズン後半戦はリジェと入れ替わりで予備予選組から抜けられることになった。鈴木はタイヤのパンクでピットインし入賞圏内から外れたが、ベルガーのリタイアで嬉しいF1初ポイント獲得となった。

レース後、私服に着替えたマンセルは記者たちの前で寂しげに「今シーズン限りでの引退」を表明した(その後撤回し、1991年はウィリアムズへ復帰する)。

決勝結果

順位 No ドライバー コンストラクター 周回 タイム/リタイア グリッド ポイント
1 1 アラン・プロスト フェラーリ 64 1:18'30.999 5 9
2 5 ティエリー・ブーツェン ウィリアムズルノー 64 +39.092 4 6
3 27 アイルトン・セナ マクラーレンホンダ 64 +43.088 2 4
4 29 エリック・ベルナール ローラランボルギーニ 64 +1'15.302 8 3
5 20 ネルソン・ピケ ベネトンフォード 64 +1'24.003 11 2
6 30 鈴木亜久里 ローラランボルギーニ 63 +1 Lap 9 1
7 10 アレックス・カフィ アロウズフォード 63 +1 Lap 17  
8 4 ジャン・アレジ ティレルフォード 63 +1 Lap 6  
9 8 ステファノ・モデナ ブラバムジャッド 62 +2 Laps 20  
10 25 ニコラ・ラリーニ リジェフォード 62 +2 Laps 21  
11 21 エマニュエル・ピロ ダラーラフォード 62 +2 Laps 19  
12 24 パオロ・バリッラ ミナルディフォード 62 +2 Laps 24  
13 26 フィリップ・アリオー リジェフォード 61 +3 Laps 22  
14 28 ゲルハルト・ベルガー マクラーレンホンダ 60 スロットル 3  
Ret 2 ナイジェル・マンセル フェラーリ 55 ギアボックス 1  
Ret 16 イヴァン・カペリ レイトンハウスジャッド 48 燃料漏れ 10  
Ret 12 マーティン・ドネリー ロータスランボルギーニ 48 エンジン 14  
Ret 11 デレック・ワーウィック ロータスランボルギーニ 46 エンジン 16  
Ret 17 ガブリエル・タルキーニ AGSフォード 41 エンジン 26  
Ret 9 ミケーレ・アルボレート アロウズフォード 37 エンジン 25  
Ret 6 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズルノー 26 シャシー 7  
Ret 3 中嶋悟 ティレルフォード 20 電気系 12  
Ret 19 アレッサンドロ・ナニーニ ベネトンフォード 15 接触 13  
Ret 22 アンドレア・デ・チェザリス ダラーラフォード 12 燃料システム 23  
Ret 23 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディフォード 3 オルタネーター 18  
DNS 15 マウリシオ・グージェルミン レイトンハウスジャッド 0 燃料ポンプ 15  
出典[2]

レース後の選手権順位

  • 注記:ランキング上位5位まで記載。

脚注

  1. ^ Foster's British Grand Prix - OVERALL QUALIFYING”. Formula1.com. 2020年4月26日閲覧。
  2. ^ Foster's British Grand Prix - RACE RESULT”. 2020年4月26日閲覧。
  3. ^ a b Britain 1990 - Championship STATS F1”. www.statsf1.com. 2020年4月26日閲覧。

外部リンク

前戦
1990年フランスグランプリ
FIA F1世界選手権
1990年シーズン
次戦
1990年ドイツグランプリ
前回開催
1989年イギリスグランプリ
イギリスグランプリ 次回開催
1991年イギリスグランプリ



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