1994年モナコグランプリとは? わかりやすく解説

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1994年モナコグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/24 05:31 UTC 版)

 1994年モナコグランプリ
レース詳細
日程 1994年シーズン第4戦
決勝開催日 5月15日
正式名称 LII Grand Prix Automobile de Monaco
開催地 モンテカルロ市街地コース
モナコ公国 モンテカルロ
コース長 3.328km
レース距離 259.584km (78 LAPS)
決勝日天候 晴れ
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'18.560
ファステストラップ
ドライバー ミハエル・シューマッハ
タイム 1'21.076 (LAP 35)
決勝順位
優勝
2位
3位

1994年モナコグランプリ (LII Grand Prix Automobile de Monaco) は、1994年F1世界選手権の第4戦として、1994年5月15日にモンテカルロ市街地コースで開催された。

背景

前戦サンマリノGPにおいて発生したアイルトン・セナローランド・ラッツェンバーガーの死亡事故を受け、FIAは安全確保のための改正規則を発表した。その大半はモナコGPの後に導入される予定であったが、ピットレーンにおける制限速度は本GPから実施された。

ドライバー側も安全に対する協議の場として、休眠状態であったグランプリ・ドライバーズ・アソシエーション (GPDA) を復活させ、セナとラッツェンバーガーの友人だったゲルハルト・ベルガーが取りまとめ役、ニキ・ラウダが世話人となってミーティングを行った。

セナとラッツェンバーガーに対する追悼の印として、FIAは第1、第2グリッドを空席とし、セナの母国ブラジルやラッツェンバーガーの母国オーストリア国旗をペイント、最前列を2名に捧げ、決勝レースは2列目からスタートさせる事とした。1959年アメリカグランプリ以来初めて、元世界チャンピオンと元モナコグランプリ勝者が参加しないレースとなった。またこのレースではシューマッハ、ヒル、ベルガー、アルボレートの4人のみが優勝経験のあるドライバーであった。

セナの所属チームであったウィリアムズやラッツェンバーガーが所属したシムテックは共に、レース週末に走らせた車両は1台のみであった。

エディ・アーバインは開幕戦ブラジルGPでのクラッシュ原因を作ったとして3戦の出場停止を命じられ、このレースが停止3戦目であった。彼の代わりとしてアンドレア・デ・チェザリスがジョーダンをドライブした。アーバインは米国スポーツ専門テレビ局ESPNからの招きで同局の番組のピットレポーターとして参加した[1]

予選

ミハエル・シューマッハが、コースレコードを0.9秒短縮するスーパーラップを見せ、そのキャリアにおける初のポールポジションを獲得した。ミカ・ハッキネンが2番手についたが、これは彼のこれまでにおける予選最高位であった。

カール・ヴェンドリンガーはヌーベル・シケインで大きくクラッシュしレースを欠場することとなる。彼はおよそ280km/hの速度で壁に接触した。ヴェンドリンガーは数週間昏睡し、そのF1キャリアが脅かされた。ザウバーチームは、この事故の後にレースからの欠場を決定した。

予選結果

順位 No ドライバー コンストラクター Q1 Q2
1 5 ミハエル・シューマッハ ベネトン-フォード 1:20.230 1:18.560
2 7 ミカ・ハッキネン マクラーレン-プジョー 1:21.881 1:19.488 +0.928
3 28 ゲルハルト・ベルガー フェラーリ 1:22.038 1:19.958 +1.398
4 0 デイモン・ヒル ウィリアムズ-ルノー 1:22.605 1:20.079 +1.519
5 27 ジャン・アレジ フェラーリ 1:22.521 1:20.452 +1.892
6 9 クリスチャン・フィッティパルディ フットワーク-フォード 1:23.588 1:21.053 +2.493
7 10 ジャンニ・モルビデリ フットワーク-フォード 1:23.580 1:21.189 +2.629
8 8 マーティン・ブランドル マクラーレン-プジョー 1:21.580 1:21.222 +2.662
9 23 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディ-フォード 1:23.162 1:21.288 +2.728
10 4 マーク・ブランデル ティレル-ヤマハ 1:23.522 1:21.614 +3.054
11 3 片山右京 ティレル-ヤマハ 1:24.488 1:21.731 +3.171
12 24 ミケーレ・アルボレート ミナルディ-フォード 1:25.421 1:21.793 +3.233
13 20 エリック・コマス ラルース-フォード 1:23.514 1:22.211 +3.651
14 15 アンドレア・デ・チェザリス ジョーダン-ハート 1:24.519 1:22.265 +3.701
15 14 ルーベンス・バリチェロ ジョーダン-ハート 1:24.731 1:22.359 +3.799
16 12 ジョニー・ハーバート ロータス-無限ホンダ 1:24.103 1:22.375 +3.815
17 6 J.J.レート ベネトン-フォード 1:23.885 1:22.679 +4.119
18 19 オリビエ・ベレッタ ラルース-フォード 1:24.126 1:23.025 +4.465
19 11 ペドロ・ラミー ロータス-無限ホンダ 1:25.859 1:23.858 +5.298
20 26 オリビエ・パニス リジェ-ルノー 1:25.115 1:24.131 +5.571
21 25 エリック・ベルナール リジェ-ルノー 1:27.694 1:24.377 +5.817
22 31 デビッド・ブラバム シムテック-フォード 1:26.690 1:24.656 +6.096
23 34 ベルトラン・ガショー パシフィック-イルモア 1:48.173 1:26.082 +7.522
24 33 ポール・ベルモンド パシフィック-イルモア 1:29.984 8:36.897 +11.424
WD 30 ハインツ=ハラルド・フレンツェン ザウバー-メルセデス
WD 29 カール・ヴェンドリンガー ザウバー-メルセデス

決勝

予選2位のミカ・ハッキネンと4位のデイモン・ヒルはスタート直後に1コーナーで接触し、両者ともリタイアした。

レースは終始ミハエル・シューマッハによってリードされた。シューマッハは今シーズン、開幕から連勝を続けており、このレースも制したことで4連勝となった。また、シューマッハはファステストラップも記録し、そのキャリアにおける初のグランドスラムを達成したことになる。さらに、フリー走行を含む全走行で1位を獲得し、レースも1度もトップを譲らない快挙を成し遂げた。1983年以来モナコグランプリアラン・プロストとアイルトン・セナによって勝利が分けられていたが、シューマッハはセナ、プロスト以外に勝利した初のドライバーとなった。

2位にはセナのイギリスF3時代のライバルであるマーティン・ブランドル、3位には母国オーストリアの後輩ラッツェンバーガーとヴェンドリンガー、そしてセナの相次ぐ事故に心を痛めるゲルハルト・ベルガーが入った。

4位には出場停止処分を受けたアーバインの代役であるアンドレア・デ・チェザリスが入り、このレースから復帰したジャン・アレジが5位に入った。ミナルディのミケーレ・アルボレートは6位に入り、1ポイントを獲得した。これは彼のF1経歴における最後のポイント獲得となった。

決勝結果

順位 No ドライバー コンストラクター 周回 タイム グリッド ポイント
1 5 ミハエル・シューマッハ ベネトン-フォード 78 1:49:55.372 1 10
2 8 マーティン・ブランドル マクラーレン-プジョー 78 +37.278 8 6
3 28 ゲルハルト・ベルガー フェラーリ 78 +1:16.824 3 4
4 15 アンドレア・デ・チェザリス ジョーダン-ハート 77 +1 Lap 14 3
5 27 ジャン・アレジ フェラーリ 77 +1 Lap 5 2
6 24 ミケーレ・アルボレート ミナルディ-フォード 77 +1 Lap 12 1
7 6 J.J.レート ベネトン-フォード 77 +1 Lap 17  
8 19 オリビエ・ベレッタ ラルース-フォード 76 +2 Laps 18  
9 26 オリビエ・パニス リジェ-ルノー 76 +2 Laps 20  
10 20 エリック・コマス ラルース-フォード 75 +3 Laps 13  
11 11 ペドロ・ラミー ロータス-無限ホンダ 73 +5 Laps 19  
リタイア 12 ジョニー・ハーバート ロータス-無限ホンダ 68 ギアボックス 16  
リタイア 33 ポール・ベルモンド パシフィック-イルモア 53 体調 24  
リタイア 34 ベルトラン・ガショー パシフィック-イルモア 49 ギアボックス 23  
リタイア 9 クリスチャン・フィッティパルディ フットワーク-フォード 47 ギアボックス 6  
リタイア 31 デビッド・ブラバム シムテック-フォード 45 エンジン 22  
リタイア 4 マーク・ブランデル ティレル-ヤマハ 40 エンジン 10  
リタイア 3 片山右京 ティレル-ヤマハ 38 ギアボックス 11  
リタイア 25 エリック・ベルナール リジェ-ルノー 34 スピン 21  
リタイア 14 ルーベンス・バリチェロ ジョーダン-ハート 27 電気系 15  
リタイア 7 ミカ・ハッキネン マクラーレン-プジョー 0 接触 2  
リタイア 0 デイモン・ヒル ウィリアムズ-ルノー 0 接触 4  
リタイア 10 ジャンニ・モルビデリ フットワーク-フォード 0 接触 7  
リタイア 23 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディ-フォード 0 接触 9  
WD 30 ハインツ=ハラルド・フレンツェン ザウバー-メルセデス   撤退  
DNS 29 カール・ヴェンドリンガー ザウバー-メルセデス   負傷  

第4戦終了時点でのランキング

  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

参照

  1. ^ ESPN Speedworld: Formula 1 Grand Prix of Monaco. 1994.
前戦
1994年サンマリノグランプリ
FIA F1世界選手権
1994年シーズン
次戦
1994年スペイングランプリ
前回開催
1993年モナコグランプリ
モナコグランプリ 次回開催
1995年モナコグランプリ



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