1998年日本グランプリ_(4輪)とは? わかりやすく解説

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1998年日本グランプリ (4輪)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/11 08:58 UTC 版)

 1998年日本グランプリ
レース詳細
日程 1998年シーズン第16戦
決勝開催日 11月1日
開催地 鈴鹿サーキット
日本 三重県 鈴鹿市
コース Permanent racing facility
コース長 5.86403km
レース距離 51周(299.064km)
(53周 (310.792km) より2周減算)
決勝日天候 晴れ(ドライ)
ポールポジション
ドライバー フェラーリ
タイム 1'36.293
ファステストラップ
ドライバー ミハエル・シューマッハ フェラーリ
タイム 1'40.190 (LAP 19)
決勝順位
優勝 マクラーレン-メルセデス
2位 フェラーリ
3位 マクラーレン-メルセデス

1998年日本グランプリXXIV Fuji Television Japanese Grand Prix)は1998年F1世界選手権の第16戦として、1998年11月1日に鈴鹿サーキットで開催された。

概要

シーズン最終戦を迎え、ドライバーズチャンピオン争いはマクラーレンミカ・ハッキネンが90ポイント、フェラーリミハエル・シューマッハが86ポイントという得点になっている。シューマッハがここで優勝しても、ハッキネンは2位でゴールすれば自身初のチャンピオンを決めることができる。シューマッハが逆転するためには、チームメイトのエディ・アーバインのアシストも重要になる。

コンストラクターズ部門はマクラーレンがフェラーリを15ポイントリードしている。また、ランキング3~5位はウィリアムズ35ポイント、ベネトン33ポイント、ジョーダン31ポイントと接戦になっている。

このレースは1964年以来タイヤサプライヤーとして活動してきたグッドイヤーにとって最終戦となる。フェラーリ対マクラーレンのチャンピオン争いは、グッドイヤー対ブリヂストンのタイヤ戦争の決戦でもある。また、1970年から参戦してきた名門ティレルも来期B・A・Rへの移行が決まっているため、このレースが最終戦となった。

予選

予選結果はフェラーリとマクラーレンが1・2列目を分け合い、以下ウィリアムズ、ジョーダン、ベネトン、ザウバープロストとチームの戦力を示す並びになった。

ポールポジションは3戦連続でシューマッハが獲得。ハッキネンは3回目のタイムアタックで逆転を狙ったが、デグナーカーブ出口でオーバーランして2位となった。3位のデビッド・クルサードはふたりから約1秒の差をつけられた。

結果

順位 No ドライバー コンストラクター タイム
1 3 ミハエル・シューマッハ フェラーリ 1'36.293
2 8 ミカ・ハッキネン マクラーレンメルセデス 1'36.471 +0.178
3 7 デビッド・クルサード マクラーレンメルセデス 1'37.496 +1.203
4 4 エディ・アーバイン フェラーリ 1'38.197 +1.904
5 2 ハインツ=ハラルド・フレンツェン ウィリアムズメカクローム 1'38.272 +1.979
6 1 ジャック・ヴィルヌーヴ ウィリアムズメカクローム 1'38.448 +2.155
7 10 ラルフ・シューマッハ ジョーダン無限ホンダ 1'38.461 +2.168
8 9 デイモン・ヒル ジョーダン無限ホンダ 1'38.603 +2.168
9 6 アレクサンダー・ヴルツ ベネトンプレイライフ 1'38.959 +2.666
10 5 ジャンカルロ・フィジケラ ベネトンプレイライフ 1'39.080 +2.787
11 15 ジョニー・ハーバート ザウバーペトロナス 1'39.234 +2.941
12 14 ジャン・アレジ ザウバーペトロナス 1'39.448 +3.155
13 11 オリビエ・パニス プロストプジョー 1'40.037 +3.744
14 12 ヤルノ・トゥルーリ プロストプジョー 1'40.111 +3.818
15 17 ミカ・サロ アロウズ 1'40.387 +4.094
16 18 ルーベンス・バリチェロ スチュワートフォード 1'40.502 +4.209
17 21 高木虎之介 ティレルフォード 1'40.619 +4.326
18 16 ペドロ・ディニス アロウズ 1'40.687 +4.394
19 19 ヨス・フェルスタッペン スチュワートフォード 1'40.943 +4.650
20 22 中野信治 ミナルディフォード 1'41.315 +5.022
21 23 エステバン・トゥエロ ミナルディフォード 1'42.358 +6.065
DNQ 20 リカルド・ロセット ティレルフォード 1'43.259 +6.966
  • 予選通過基準タイム 1'43.033

決勝

展開

フロントローに並んだチャンピオン候補の両雄は、ダミーグリッド上で握手をして互いの健闘を祈りあった。

スタート直前にプロストのヤルノ・トゥルーリがエンジンストールし、スタート手順がやり直しとなる波乱が起こったが、更に2回目のスタートではポールシッターのミハエル・シューマッハが痛恨のストールを喫する。シューマッハはフォーメーションラップをハイペースで飛ばして早めにグリッドに付いたが、後続車の整列を待つ間にエンジンがオーバーヒートし、回転数を落としたため油圧が低下してクラッチが繋がってストール。レギュレーションによりトゥルーリとシューマッハはグリッド最後尾にまわされ、2周減算の51周でレースが開始された。

ハッキネンは好スタートを切り1コーナーを制したが、予選3位のクルサードはアーバインとハインツ=ハラルド・フレンツェンに抜かれて4位に後退。以下ジャック・ヴィルヌーヴデイモン・ヒルラルフ・シューマッハと続いた。クルサードはフレンツェンに抑えられ、ハッキネンとアーバインが後続を引き離す展開となる。アーバインは燃料軽めの3ピット作戦で何とかハッキネンの前に出ようとするが、ハッキネンもファステストラップを記録して隙を見せない。

最後尾スタートを強いられチャンピオン争いにおいて非常に厳しい状況に追い込まれたシューマッハは1周目に12位にジャンプアップすると、中位グループも次々にパスして7位まで挽回した。しかし、6位のヒルを抜きあぐね、首位ハッキネンとの差は30秒近くまで開く。14周目にヒルがピットインして前が開けると再びペースアップし、各車1回目のピットインが終わるとハッキネン、アーバインに次ぐ3番手まで浮上した。シューマッハは限界の走行を続けるがハッキネンとの差は縮まらず、シケインではブレーキロックしてコースを外す場面もみられた。

31周目を終了し、32周目に向かうホームストレートで突然シューマッハのマシンの右リアタイヤがバースト。裂けたタイヤがボディを打ち、マシン後部も損傷した。シューマッハは1コーナーでスローダウンし、2コーナーイン側にマシンを止めてリタイアした。直前にはシケインで高木虎之介エステバン・トゥエロが接触してコース上に破片が飛び散っており、そこを通過した際にタイヤを傷めたともされている。

シューマッハがリタイアに終わった瞬間、ハッキネンにとって初のドライバーズタイトルが確定、無線でマクラーレン総帥のロン・デニスがハッキネンにその事実を伝えると共に「そのままチェッカーを受けよう」と鼓舞した。同時にマクラーレンの1991年以来のコンストラクターズタイトルも確定した。ハッキネンはそのままトップでチェッカーフラッグを受けると、ウィニングラン中にヘルメットのバイザーを上げて涙を拭った。ピットに戻ると私服に着替えたシューマッハから祝福を受けた。

2位アーバイン、3位クルサードに続き、最終ラップのシケインでヒルがフレンツェンをパスして4位をもぎとり、ジョーダンが土壇場でベネトンを逆転してコンストラクターズランキング4位を獲得した。

結果

順位 No ドライバー コンストラクター 周回 タイム グリッド ポイント
1 8 ミカ・ハッキネン マクラーレンメルセデス 51 1:27'22.535 2 10
2 4 エディ・アーバイン フェラーリ 51 +6.491 4 6
3 7 デビッド・クルサード マクラーレンメルセデス 51 +27.662 3 4
4 9 デイモン・ヒル ジョーダン無限ホンダ 51 +1'13.491 8 3
5 2 ハインツ=ハラルド・フレンツェン ウィリアムズメカクローム 51 +1'13.857 5 2
6 1 ジャック・ヴィルヌーヴ ウィリアムズメカクローム 51 +1'15.867 6 1
7 14 ジャン・アレジ ザウバーペトロナス 51 +1'36.053 12  
8 5 ジャンカルロ・フィジケラ ベネトンプレイライフ 51 +1'41.302 10  
9 6 アレクサンダー・ヴルツ ベネトンプレイライフ 50 +1 Lap 9  
10 15 ジョニー・ハーバート ザウバーペトロナス 50 +1 Lap 11  
11 11 オリビエ・パニス プロストプジョー 50 +1 Lap 13  
12 12 ヤルノ・トゥルーリ プロストプジョー 48 エンジン 14  
Ret 22 中野信治 ミナルディフォード 40 スロットル 20  
Ret 3 ミハエル・シューマッハ フェラーリ 31 タイヤ 1  
Ret 21 高木虎之介 ティレルフォード 28 接触 17  
Ret 23 エステバン・トゥエロ ミナルディフォード 28 接触 21  
Ret 18 ルーベンス・バリチェロ スチュワートフォード 25 ハイドロリック 16  
Ret 19 ヨス・フェルスタッペン スチュワートフォード 21 ギアボックス 19  
Ret 17 ミカ・サロ アロウズ 14 ハイドロリック 15  
Ret 10 ラルフ・シューマッハ ジョーダン無限ホンダ 13 エンジン 7  
Ret 16 ペドロ・ディニス アロウズ 2 スピン 18  
DNQ 20 リカルド・ロセット ティレル

第16戦終了時点でのランキング

  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

脚注

前戦
1998年ルクセンブルクグランプリ
FIA F1世界選手権
1998年シーズン
前回開催
1997年日本グランプリ
日本グランプリ 次回開催
1999年日本グランプリ



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