1990年フランスグランプリとは? わかりやすく解説

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1990年フランスグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 09:36 UTC 版)

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 1990年フランスグランプリ
レース詳細
日程 1990年シーズン第7戦
決勝開催日 7月8日
正式名称 Rhône-Poulenc Grand Prix de France
開催地 ポール・リカール・サーキット
フランス ル・キャステレ
コース 常設サーキット
コース長 3.813km
レース距離 80周(305.040km)
決勝日天候 晴れ(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'04.402
ファステストラップ
ドライバー ナイジェル・マンセル
タイム 1'08.012(Lap 64)
決勝順位
優勝
2位
3位

1990年フランスグランプリ: 1990 Grand Prix de France)は、1990年F1世界選手権の第7戦として、1990年7月8日にポール・リカール・サーキットで決勝レースが開催された。

概要

ポール・リカールにおけるフランスGP開催は今回が最後となり、1991年から新設されたマニ・クールに舞台を移した。フランスGPは2008年をもって一旦カレンダーから外れ、2018年から再びポール・リカールで復活することになる。なお、1990年は路面が再舗装され、スムーズな路面が「レイトンハウス勢の快走」というドラマを演出することになった。

予選

予選2列目まではマクラーレンフェラーリの二強が分け合った。フェラーリは新型037エンジンを予選用として投入し、ナイジェル・マンセルがポールポジションを獲得。マンセルのポールはウィリアムズ-ホンダに在籍していた頃の1987年メキシコGP以来2年9カ月ぶりとなった。1989年ベルギーGPから続いてきたマクラーレン勢の連続ポールは12戦でストップした。

前戦メキシコGPで2台とも予選落ちしたレイトンハウスは、今回空力を改良したCG901Bを持ち込み、イヴァン・カペリが7位、マウリシオ・グージェルミンが10位で2台ともトップ10入りした。

予備予選

順位 No ドライバー コンストラクター タイム
1 29 エリック・ベルナール ローラランボルギーニ 1'05.165
2 30 鈴木亜久里 ローラランボルギーニ 1'06.505 +1.340
3 17 ガブリエル・タルキーニ AGSフォード 1'07.232 +2.067
4 18 ヤニック・ダルマス AGSフォード 1'08.151 +2.986
DNPQ 14 オリビエ・グルイヤール オゼッラフォード 1'08.219 +3.054
DNPQ 33 ロベルト・モレノ ユーロブルンジャッド 1'09.885 +4.720
DNPQ 34 クラウディオ・ランジェス ユーロブルンジャッド 1'10.368 +5.203
DNPQ 31 ベルトラン・ガショー コローニスバル 4'02.465 +2'57.300
DNPQ 39 ブルーノ・ジャコメリ ライフ

予選

順位 No ドライバー コンストラクター タイム
1 2 ナイジェル・マンセル フェラーリ 1'04.402
2 28 ゲルハルト・ベルガー マクラーレンホンダ 1'04.512 +0.110
3 27 アイルトン・セナ マクラーレンホンダ 1'04.549 +0.147
4 1 アラン・プロスト フェラーリ 1'04.781 +0.379
5 19 アレッサンドロ・ナニーニ ベネトンフォード 1'05.009 +0.607
6 6 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズルノー 1'05.059 +0.657
7 16 イヴァン・カペリ レイトンハウスジャッド 1'05.369 +0.967
8 5 ティエリー・ブーツェン ウィリアムズルノー 1'05.446 +1.044
9 20 ネルソン・ピケ ベネトンフォード 1'05.640 +1.238
10 15 マウリシオ・グージェルミン レイトンハウスジャッド 1'05.818 +1.416
11 29 エリック・ベルナール ローラランボルギーニ 1'05.852 +1.450
12 26 フィリップ・アリオー リジェフォード 1'05.980 +1.578
13 4 ジャン・アレジ ティレルフォード 1'06.084 +1.682
14 30 鈴木亜久里 ローラランボルギーニ 1'06.100 +1.598
15 3 中嶋悟 ティレルフォード 1'06.563 +2.161
16 11 デレック・ワーウィック ロータスランボルギーニ 1'06.624 +2.222
17 12 マーティン・ドネリー ロータスランボルギーニ 1'06.647 +2.245
18 9 ミケーレ・アルボレート アロウズフォード 1'06.847 +2.445
19 25 ニコラ・ラリーニ リジェフォード 1'06.856 +2.444
20 8 ステファノ・モデナ ブラバムジャッド 1'06.937 +2.535
21 22 アンドレア・デ・チェザリス ダラーラフォード 1'07.137 +2.735
22 10 アレックス・カフィ アロウズフォード 1'07.207 +2.805
23 23 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディフォード 1'07.315 +2.913
24 21 エマニュエル・ピロ ダラーラフォード 1'07.687 +3.285
25 7 デビッド・ブラバム ブラバムジャッド 1'07.733 +3.331
26 18 ヤニック・ダルマス AGSフォード 1'07.926 +3.524
DNQ 24 パオロ・バリッラ ミナルディフォード 1'08.008 +3.606
DNQ 17 ガブリエル・タルキーニ AGSフォード 1'08.147 +3.745
DNQ 35 グレガー・フォイテク オニクスフォード 1'08.232 +3.830
DNQ 36 J.J.レート オニクスフォード 1'08.487 +4.085
出典[1]

決勝

夏のヨーロッパラウンドの幕開けとなる南仏ポール・リカールは、陽炎が立ちのぼる快晴、高温のコンディションとなった。

前年、スタート直後にマルチクラッシュが起きた1コーナーでは、今年は混乱は起きなかった。続くミストラルストレートでベルガーがマンセルをパスして首位に浮上。2周目にはセナもマンセルを抜いてマクラーレンがワンツー体制に持ち込んだ。しかし、先頭ベルガーのペースが上がらず、セナ、マンセル、ナニーニまでの4台が先頭集団を形成。以下、パトレーゼ、プロスト、ピケ、アレジ、カペリまでが10秒差以内で周回を重ねた。

80周レースの20周を過ぎると、各車がタイヤ交換のタイミングを迎えた。28周目にピットインしたベルガーは左リアタイヤの交換に12.7秒を要した。30周目にセナもピットインしたが、またも左リアタイヤ装着に16.6秒もかかってしまい、マクラーレンの2台は優勝争いから後退した。

33周目、パトレーゼが上位勢で最後にピットインすると、タイヤを交換していないレイトンハウスのカペリとグージェルミンがワンツー走行となり、3位プロスト以下、ナニーニ、マンセル、セナ、ピケ、ベルガー、パトレーゼと順位が変動した。「タイヤ1回交換」がセオリーと思われていた中、レイトンハウスは硬めのタイヤで80周を走り切る作戦を選んでいた。

2位グージェルミンは20周近くプロストを抑えていたが、54周目にプロストに抜かれ、58周目にエンジン故障でリタイアした。プロストはすぐにカペリに追いついたが、ミストラルの最高速が伸びるレイトンハウスを攻め切れず、カペリの初優勝が見えてきた。72周目には7位のマンセル、75周目には3位のナニーニがリタイア。カペリのマシンも油圧が低下し始め、プロストが最後のチャージをかける。78周目、高速「シーニュ」でぴたりと背後につき、続く「ボーセ」への飛び込みでインに入り、残り3周でトップに浮上。地元観衆の歓声を浴びながらチェッカーを受け、ポイントランキング首位のセナに3点差まで接近した。この2年間、チームの低迷に苦しんできたカペリは、2位表彰台でこぼれる涙をぬぐった。

プロストのフランスGP制覇は3年連続5回目。F1世界選手権が開幕した1950年から40年間参戦してきたフェラーリは、この勝利によって通算100勝に到達した。

結果

順位 No ドライバー コンストラクター 周回 タイム/リタイア グリッド ポイント
1 1 アラン・プロスト フェラーリ 80 1:33'29.606 4 9
2 16 イヴァン・カペリ レイトンハウスジャッド 80 +8.626 7 6
3 27 アイルトン・セナ マクラーレンホンダ 80 +11.606 3 4
4 20 ネルソン・ピケ ベネトンフォード 80 +41.207 9 3
5 28 ゲルハルト・ベルガー マクラーレンホンダ 80 +42.219 2 2
6 6 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズルノー 80 +1'09.351 6 1
7 30 鈴木亜久里 ローラランボルギーニ 79 +1 Lap 14  
8 29 エリック・ベルナール ローラランボルギーニ 79 +1 Lap 11  
9 26 フィリップ・アリオー リジェフォード 79 +1 Lap 12  
10 9 ミケーレ・アルボレート アロウズフォード 79 +1 Lap 18  
11 11 デレック・ワーウィック ロータスランボルギーニ 79 +1 Lap 16  
12 12 マーティン・ドネリー ロータスランボルギーニ 79 +1 Lap 17  
13 8 ステファノ・モデナ ブラバムジャッド 78 +2 Laps 20  
14 25 ニコラ・ラリーニ リジェフォード 78 +2 Laps 19  
15 7 デビッド・ブラバム ブラバムジャッド 77 +3 Laps 25  
16 19 アレッサンドロ・ナニーニ ベネトンフォード 75 電気系 5  
17 18 ヤニック・ダルマス AGSフォード 75 +5 Laps 26  
18 2 ナイジェル・マンセル フェラーリ 72 エンジン 1  
DSQ 22 アンドレア・デ・チェザリス ダラーラフォード 78 失格 21  
Ret 3 中嶋悟 ティレルフォード 63 ギアボックス 15  
Ret 15 マウリシオ・グージェルミン レイトンハウスジャッド 58 エンジン 10  
Ret 23 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディフォード 40 電気系 23  
Ret 4 ジャン・アレジ ティレルフォード 23 ディファレンシャル 13  
Ret 10 アレックス・カフィ アロウズフォード 22 サスペンション 22  
Ret 5 ティエリー・ブーツェン ウィリアムズルノー 7 エンジン 8  
Ret 21 エマニュエル・ピロ ダラーラフォード 7 ブレーキ 24  
出典[2]

レース後の選手権順位

  • 注記:ランキング上位5位まで記載。

脚注

  1. ^ French Grand Prix - OVERALL QUALIFYING”. Formula1.com. 2020年4月24日閲覧。
  2. ^ French Grand Prix - RACE RESULT”. Formula1.com. 2020年4月24日閲覧。
  3. ^ a b France 1990 - Championship STATS F1”. www.statsf1.com. 2020年4月24日閲覧。
前戦
1990年メキシコグランプリ
FIA F1世界選手権
1990年シーズン
次戦
1990年イギリスグランプリ
前回開催
1989年フランスグランプリ
フランスグランプリ 次回開催
1991年フランスグランプリ



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