C型肝炎
【概要】 C型肝炎ウイルス(HCV)が引き起こす肝臓病の総称。感染経路の大半は輸血、手術、注射、刺青、鍼、覚せい剤など血液を介したもの。性行為感染や母子感染はあるが非常に少ない。感染時期がわからない例が多く、肝炎がない無症候キャリア、そして軽い肝機能異常だけで自覚症状がない慢性肝炎の状態が非常に多い。このため肝硬変や肝癌に至って症状がでて発見されるか、献血や健康診断、たまたま他の病気がきっかけで行った肝機能異常が発端になってみつかることが多い。つまりHCVの検査をしない限り大半は診断することはできない。この点はHIVに似ている。保険診療では何かの症状がないと検査をすることはできない。厚労省は保険医療ではなく自治体が40才以降住民に提供する「節目検診」(保健所など)に組み込んでいる。
【詳しく】 初感染は比較的穏やかな症状で、7割がキャリアに移行する。症状が乏しい肝炎によって肝細胞の破壊と再構築を繰り返すと、やがて線維化によって肝臓の小葉構造が改築され、肝硬変が進む。線維化が進んだ肝疾患を基盤に毎年100人の患者から7人の肝臓癌が発生する。献血でたまたま見つかったHCVキャリア100人が適切な治療を受けずに70歳まで過ごした場合、10~16人が肝硬変に20~25人が肝がんに進行すると推測されている。日本ではHCVによる死亡者数は年間2万人いると推定される。

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