黒人差別をなくす会の回収要求
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/10/10 14:37 UTC 版)
「ドリトル先生物語全集」の記事における「黒人差別をなくす会の回収要求」の解説
『ドリトル先生』の原作は1970年代に米国で現在の人権感覚において人種差別的な描写が頻発するとして批判の対象となり、絶版の時期を経て1988年から1997年にかけて問題とされた箇所の削除・修正を行ったうえで復刊されたが、日本では2001年(平成13年)に黒人差別をなくす会が岩波書店に対して本全集の第1巻『アフリカゆき』と第10巻『秘密の湖』を特に問題視して岩波書店に回収を要求した。この内『アフリカゆき』で問題とされた描写についてはドリトル先生アフリカゆき#作中の描写についてを参照。 『秘密の湖』に関しては、井伏訳では地名のニジェール川(Niger river)を「ニガー川」としていたが"Niger"の英語での発音は「ナイジャー」であるのに対し、黒人に対する蔑称とされる「ニガー」の綴りは"nigger"であり、どちらの単語もラテン語で「黒」を意味する"niger"(ニゲル)が語源ではあるものの、明らかな誤訳である。この点に関し、岩波書店は回収措置こそ取らなかったが編集部は当該個所の誤訳については認め、2002年(平成14年)以降の重版では「ニジェール川」に修正した。この修正を受けた重版より全集・文庫とも各巻の巻末に2002年1月付の「読者のみなさまへ」と題する編集部の考え方を解説する一文が追加されている。この問題は、2002年2月5日放送のTBSラジオ「BATTLE TALK RADIO アクセス」でも取り上げられた。
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