黄鶴楼を詠んだ漢詩
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崔顥(唐代) 「黄鶴楼」 昔人已乗黄鶴去,此地空余黄鶴楼。 黄鶴一去不復返,白雲千載空悠悠。 晴川歴歴漢陽樹,芳草萋萋鸚鵡洲。 日暮郷関何処是?煙波江上使人愁。 (通釈)崔顥 昔の仙人はすでに黄鶴に乗って飛び去り、 この地には黄鶴楼だけが空しく残された 黄鶴は飛び去ったきりかえって来ず、 白雲だけが千年もの間も悠々と流れ続けている 晴れわたった長江の対岸には漢陽の樹々くっきりと見え、 芳しい草が鸚鵡洲のあたりに青々と生い茂る 日の暮れゆく中、我が故郷はどの方角にあるのだろうか? やがて川の上には波や靄が立ち込め、私の心を深い悲しみに誘うのだ 李白(唐代) 「黄鶴楼送孟浩然之広陵」 故人西辞黄鶴楼,煙花三月下揚州。 孤帆遠影碧空尽,唯見長江天際流。 (通釈) 昔からの友人(である孟浩然)が黄鶴楼に別れを告げようとしている、 霞だって花が咲いているこの三月に揚州へと下っていくのだ 船の帆がだんだんと青空に吸い込まれるように小さくなってゆき、 ただ長江が天の彼方に向かって流れているのが見えるだけになってしまった 李白(唐代)「与史郎中欽聴黄鶴楼上吹笛」 一為遷客去長沙,西望長安不見家。 黄鶴楼中吹玉笛,江城五月落梅花。 (通釈) このたび遠国に流される身となって長沙の地まで来た、 ここから西の方にある長安を望んでもわが家は見えない この黄鶴楼で望郷の念にかられていると 誰かが楼中で吹く笛の音が聞こえてきた、 しかもそれは名曲「落梅花」ではないか。ああ、長江の流れに臨む武昌の町で、夏の五月に季節はずれの梅が散り落ちるとは 陸游(宋代)「黄鶴楼」 手把仙人緑玉枝,吾行忽及早秋期。 蒼龍闕角帰何晩,黄鶴楼中酔不知。 江漢交流波渺渺,晋唐遺跡草離離。 平生最喜聴長笛,裂石穿雲何処吹? 毛沢東(近代)「菩薩蛮・黄鶴楼」 茫茫九派流中国,沉沉一綫穿南北。 煙雨莽蒼蒼,亀蛇鎖大江。 黄鶴知何去?剰有遊人処。 把酒酹滔滔,心潮逐浪高!
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