黄疸の発生機序とは? わかりやすく解説

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黄疸の発生機序

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/27 08:14 UTC 版)

黄疸」の記事における「黄疸の発生機序」の解説

脾臓中のマクロファージにより、循環中の古くなったり損傷受けた赤血球取り除かれる赤血球中のヘモグロビンヘムグロビン分解されるヘム分解は、マクロファージによって開始されるヘムポルフィリン環は、ヘムオキシゲナーゼ (HMOX) により緑色ビリベルジン分解される2番目の反応として、ビリベルジンビリベルジンレダクターゼ (BVR) により黄色ビリルビン還元されるヘム分解生成されビリルビンそのものである水溶性の低い非抱合型ビリルビン(=間接ビリルビン)は、血漿中のアルブミンであるタンパク質結合して血漿放出され肝臓運ばれる血漿中の非抱合型ビリルビン肝臓グルクロン酸抱合を受け抱合型ビリルビン(=直接ビリルビン)となり、胆汁中に放出され胆道から十二指腸分泌される。なお胆汁の主成分胆汁酸いわゆるコール酸などである。 十二指腸分泌され抱合型ビリルビンは、小腸腸内細菌によって脱抱合をうけ非抱合型ビリルビンになる。この非抱合型ビリルビン腸内細菌還元されウロビリノーゲンとなる。ウロビリノーゲン小腸から再吸収され尿とともに排泄され小腸吸収されなかったウロビリノーゲン腸内細菌によりステルコビリノーゲン経て茶色ステルコビリン変化し大便とともに排泄される。これらの経路のどこかが破綻すると高ビリルビン血症がおこる。 なお、腸管内の非抱合型ビリルビンウロビリノーゲン腸肝循環によって再び血中へ戻る。ウロビリノーゲン尿中排出することができる。基本的にこの経路しかウロビリノーゲン産出系は存在しないので、胆道閉塞では尿中ウロビリノーゲン陰性となり、これは病的な所見である。なお、尿中ビリルビンという項目があるがこれは抱合型ビリルビン量っている。溶けない非抱合型ビリルビン腎臓ろ過されることは基本的にはない。尿中ビリルビン見られるのは胆道閉塞など直接ビリルビン抱合型ビリルビン)が優位に増加する疾患である。 高ビリルビン血症によって黄疸が起こるのは黄色ビリルビン組織沈着して組織黄色くなるからである。ビリルビンは特に弾性線維との親和性が高いため、皮膚強膜血管といった弾性線維豊富な組織沈着する。特に強膜との親和性が高いため、黄疸スクリーニング眼球結膜の色で調べる。なお、黄染はあくまで組織沈着をみているので血液生化学データよりは遅れて変動するビリルビン組織沈着としては皮膚以外に大脳基底核沈着による核黄疸ビリルビン脳症)が有名である。これは非抱合型ビリルビンのうちアルブミン結合していない非抱合型ビリルビン沈着する。新生児におこる疾患であり、ミルク飲まないモロ反射消失といった症状から始まり痙攣後弓反張おこしてくる。経験的にT-Bilが25mg/dlを超えない限り、起こるのは極めて稀で、今日管理技術ではまず起こらない

※この「黄疸の発生機序」の解説は、「黄疸」の解説の一部です。
「黄疸の発生機序」を含む「黄疸」の記事については、「黄疸」の概要を参照ください。

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