高級車におけるクーペの存在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 01:38 UTC 版)
「クーペ」の記事における「高級車におけるクーペの存在」の解説
後席用のドアを持たないクーペは実用性に欠けるため、ビジネス用途からは一般的に避けられる。しかし逆に、高級車の歴史においては、その実用性を廃した点が「特別感」「パーソナル感」を強調し、さらには「贅沢の象徴」とされ、一定の存在価値を持っている。フェラーリやランボルギーニといった、いわゆるスーパーカーだけではなく、快適な乗り心地と豪華な装備を持つ大型高級乗用車にもクーペは存在し、多くの高級車メーカー(ブランド)において、イメージリーダーとして重要な役割を担ってきた。4ドアセダンはビジネスにもプライベートにも使えるが、2ドアクーペはプライベートにしか使えない。だから贅沢だという価値観である。 トヨタ・クラウンや日産・セドリック、ホンダ・レジェンドといった日本メーカーの高級車には、4ドアセダン以外にもかつては2ドアのハードトップやクーペモデルが存在し、パーソナル感を重視するオーナードライバー達に選択されてきた。トヨタは高性能と豪華装備を兼ね備えた2ドアクーペのスーパーカーであるレクサス・LFAを限定生産したほか、その後もLCをラインナップしている。日産では同じくクーペボディを持つGT-Rが、ホンダではNSXをラインナップしており、共に両社のフラグシップを担っている。 メルセデス・ベンツやBMWにおいては、常にクーペモデルはセダンより一段上位のものと位置づけられおり、それはロールス・ロイスにおいてさらに顕著である。かつて販売された2ドアクーペのカマルグは、販売当時ファントムVIを除くと同社ラインナップ内で最も高価格のトップモデルであり、なおかつデビュー当時は世界で最も高価な市販乗用車でもあった。ファントムVIはあくまで特別生産車であり、カマルグは「ショールームで買うことのできる世界一高額な車」とされた。近年も、ファントムのクーペモデルおよびドロップヘッドクーペは、サルーン(セダン)より高価格であった。また、2009年からはファントムより一回り小さなセダンとしてゴーストがラインナップされているが、このクーペ版として2013年からレイスも登場しており、ベースとなったゴーストと比べ高価格である。 BMW・M6 ロールス・ロイス・カマルグ ロールス・ロイス・レイス
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