高僧伝絵
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法然上人絵伝 土佐吉光らの筆と伝わる。勅命でつくられた法然の伝記で、詞書を伏見天皇らが記している。現存のものは、14世紀に集大成して完成したもので全48巻、全長531メートルにおよぶ現存最長の絵巻物である。知恩院蔵。国宝。 一遍聖絵(一遍上人絵伝) 円伊を主催者として複数の手になる伝記物である。時宗の開祖一遍が全国を遊行し布教するようすを描く。四季折々の詩情あふれる自然の景観が見事で、当時の市場のようすなども描かれ、庶民の生活ぶりを知ることができる。1299年(永仁7年)制作。清浄光寺蔵。国宝。 西行物語絵巻 院(鳥羽上皇)の北面武士であった佐藤義清(西行)が23歳で突如出家し、遁世したのちの漂泊を描いた伝記物。その旅を描いた絵巻は、勧進の世紀を象徴している。文化庁保管。重要文化財。 鑑真和上東征絵伝 失明をのりこえ日本に戒律を伝えた唐僧鑑真の伝記絵巻。絵や詞書は、東国の人びとの手によるものであり、かれらと関連の深かった鎌倉極楽寺の忍性によって唐招提寺にもたらされた。唐招提寺蔵。重要文化財。 玄奘三蔵絵 唐の高僧玄奘を描いた絵巻物。12巻よりなる。構図や描法が『春日権現験記絵巻』に似ているところから、筆者は高階隆兼と伝承される。藤田美術館蔵。国宝。
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