骨格の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/03 01:41 UTC 版)
「腹びれイルカ (はるか)」の記事における「骨格の発見」の解説
2011年11月14日に、研究チームが「はるか」をエックス線撮影し調べたところ、腹ひれの中に、指の骨など左右各約10個(計21個)で形成された、不完全な骨格が見つかった。はるかは、右に3本、左に2本の指が確認され、左右ともに太もも、すね、甲に相当する部分の骨もあり、後ろ脚にあたると考えられた。これについてチームを総括する加藤秀弘教授は、次のように語った。 最初は皮膚の一部が変化してできた可能性もあると思っていたが、今回の調査結果から考えると後ろ足の名残だとみられ、世界的な発見だ。 “腹びれイルカ”の腹びれへの科学的調査は世界初のことであり、加藤秀弘教授は次のように語った。 後ろ脚がなぜ消えたかという謎に迫るチャンス。進化過程の解明につながる可能性がある 加藤教授は、鯨の祖先は5000万年前に4 - 5本指、3500万年前に4本指の後ろ脚を持っていたとしたうえで、「水の抵抗を減らして泳げるように、鯨は指を減らし後ろ脚を引っ込めていった」と説明する。また、2 - 3本指のはるかは、約3000万年前の鯨に「先祖返り」したと推測した。 現代のイルカのひれは、泳ぎ回る生活に便利なように表皮が変形したものであるため、尾びれや背びれは中に骨がないが、研究チームは、(骨のある)腹びれは、陸にいた祖先から現在の鯨類になるまでに不要になって失った後脚の痕跡を示す結果であるとした。加藤秀弘教授は(鯨類の化石はなかなか残らないため)「化石として出ていない進化の過程をうかがわせるものだ」と考えている。 3000~5500万年前の始新世(ししんせい)にいたムカシクジラの例 約3400万年前の鯨類(バシロサウルス) 約3600万年前の鯨類(ドルドン) 約4500万年前の鯨類(プロトケトゥス) 研究チームは、日本国内の水族館で飼育されている200頭ほどのイルカの血液を調べ、はるかとの遺伝子の違いなどについて、突然変異かどうかなどの研究を行っている。
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骨格の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/05 20:34 UTC 版)
2011年11月14日に、研究チームが「はるか」をエックス線撮影し調べたところ、腹ひれの中に、指の骨など左右各約10個(計21個)で形成された、不完全な骨格が見つかった。はるかは、右に3本、左に2本の指が確認され、左右ともに太もも、すね、甲に相当する部分の骨もあり、後ろ脚にあたると考えられた。これについてチームを総括する加藤秀弘教授は、次のように語った。 最初は皮膚の一部が変化してできた可能性もあると思っていたが、今回の調査結果から考えると後ろ足の名残だとみられ、世界的な発見だ。 “腹びれイルカ”の腹びれへの科学的調査は世界初のことであり、加藤秀弘教授は次のように語った。 後ろ脚がなぜ消えたかという謎に迫るチャンス。進化過程の解明につながる可能性がある 加藤教授は、鯨の祖先は5000万年前に4 - 5本指、3500万年前に4本指の後ろ脚を持っていたとしたうえで、「水の抵抗を減らして泳げるように、鯨は指を減らし後ろ脚を引っ込めていった」と説明する。また、2 - 3本指のはるかは、約3000万年前の鯨に「先祖返り」したと推測した。 現代のイルカのひれは、泳ぎ回る生活に便利なように表皮が変形したものであるため、尾びれや背びれは中に骨がないが、研究チームは、(骨のある)腹びれは、陸にいた祖先から現在の鯨類になるまでに不要になって失った後脚の痕跡を示す結果であるとした。加藤秀弘教授は(鯨類の化石はなかなか残らないため)「化石として出ていない進化の過程をうかがわせるものだ」と考えている。 3000~5500万年前の始新世(ししんせい)にいたムカシクジラの例 約3400万年前の鯨類(バシロサウルス) 約3600万年前の鯨類(ドルドン) 約4500万年前の鯨類(プロトケトゥス) 研究チームは、日本国内の水族館で飼育されている200頭ほどのイルカの血液を調べ、はるかとの遺伝子の違いなどについて、突然変異かどうかなどの研究を行っている。
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