駅舎の建築時期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 15:00 UTC 版)
亀崎駅の駅舎は、しばしば「日本最古の現役駅舎」と紹介される。当駅舎を現存最古と紹介する説は『日本国有鉄道停車場一覧 昭和60年6月1日現在』にある「開通と同時に建築された国鉄最古の駅舎」が最古のものと見られ、以来、「M19年1月」(1886年(明治19年)1月)と記された建物資産標の表示から当駅舎を最古と紹介する文献は多い。 しかし、明治期に国有鉄道を運営していた逓信省鉄道局がまとめた『鉄道局年報』の明治27年度版には「當年度三月七日亀崎停車場本屋及駅長官舎並附属建物火災ニ罹リタルヲ以テ直ニ之カ假建物ヲ設ケ一時ノ急ニ應シタリ」とあり、1895年(明治28年)3月7日に亀崎駅にて火災があったとしている。また、翌年度の鉄道局年報には焼失した本屋と駅長官舎を再建したとの旨が記載されている。建物資産標の表示年は実際の竣工年と異なることが多くあり、当駅に関しても焼失の一件が建物資産標に反映されていない可能性がある。駅舎焼失が事実なら香川県の善通寺駅の駅舎が1889年(明治22年)築のため、当駅の「現役最古」説には疑問が残る。 ただし、焼失したのは官舎だけではないかとする地元住民からの証言もあり、火災翌日の扶桑新聞には「亀崎停車場官舎の焼失」の見出しで「昨午前二時半官舎より発火し(中略)全戸焼失し併せて電信機械を焼失」と報じられている。また、亀崎町発行の『亀崎誌』(1911年)には「停車場官舎の全焼」と記され、いずれも官舎が焼失したことを強調している。
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